FUTBOL MUNDIAL #609●特集3:ハンガリーの英雄のために

●特集3:ハンガリーの英雄のために
療養中のフェレンツ・プスカシュのために開催された親善試合の様子とプスカシュのサッカー人生を振り返る。

この夏かなりハードなプレシーズンツアーをこなしたレアル・マドリード
16日間で5カ国を訪問し6試合を戦いました

スペインに戻って2週間後、最後に訪れたのがハンガリーの首都ブダペスト
エミリオ・ブトラゲーニョ副会長に聞きます




emilio butragueno
「ここに来たのはクラブきってのスターをサポートする為です。今のレアル・マドリードがあるのはフェレンツ・プスカシュ(Ferenc Puskas )の様なOB達のお陰です。彼らの活躍で世界屈指のクラブと賞賛される様になりました。多くのタイトルを齎してくれたOBには恩返ししたいしプスカシュは特別です。彼の功績を忘れる事等出来ません」




プスカシュの親友ヤノ・ブサンスキーは78歳
1950年代に活躍したハンガリー代表メンバーで生き残っている3人の内の一人です
アルツハイマー病を患い、ブダペストの病院にいるプスカシュの様子に悲しみを隠せません




jeno buzanszky
「家族以外で今でも病院に居るプスカシュと会う事が出来るのは私を含めて数人だけです。それ自体はとても光栄だと思っています。でも同時に自分の目の前にいるのが、もう昔の彼とは別人だという事実には本当に悲しくなってしまいますね。もう意思の疎通もはかれないんです。プスカシュは何時も明るくて元気でした。親しみやすくて高潔で何時も誰かに手を差し伸べたいと願っている様な寛大な人間だったんです」




プスカシュは偉大な選手でした
キャリアをスタートさせたホンベド(Kispest Honved Budapest)では357試合に出場し354ゴール
5度のリーグ制覇を経験しチームメート6人と共にハンガリー代表を牽引しました
ヘルシンキオリンピックではキャプテンとして金メダルを獲得
決勝のユーゴスラビア戦では先制ゴールをあげました



その2年後ワールドカップでも決勝へ
ドイツに2対3と敗れたのが4年ぶりの敗戦でした
迎えた1956年、祖国に対するソビエトの軍事介入を受けチームメートと共に亡命
2年間の出場停止処分を経て、疾走する少佐は31歳でレアル・マドリード


新天地での活躍は圧巻でした
現在活躍中のスター選手ですらプスカシュに追いつくのは大変です
在籍8シーズンの間に国内リーグで6度、ヨーロッパで3度も頂点に立ちました




emilio butragueno
「プスカシュはチャンピオンズカップを5連覇した素晴らしいチームの一員でした。勿論レアルマドリードの選手として偉大だっただけで無く、サッカー史上屈指のスターでした。彼を迎えられたのを誇りに思います」




レアルと代表での活躍によりサッカー史に残るスターとなったプスカシュ
祖国の人達は英雄を忘れてはいません
彼の名前が付けられたスタジアムには5万人が集まりました
国内リーグのメンバーで構成されたハンガリー選抜を3対1で退けたレアル・マドリード
ジネディーヌ・ジダンロナウド、そしてこの試合を最後にニューカッスルへ移籍したマイケル・オーウェンがゴールを決めました
プスカシュの医療費を払い続けている家族の為の資金集めが目的となったこのゲーム
最終的には10万ドルが集まり、プスカシュは必要なケアを受けられるはずです
ハンガリー代表のマテウス監督です




lothar matthaus
「ブラジルでのペレ、ドイツでのベッケンバウアーの様にハンガリーでは伝説の人ですからねぇ。プスカシュをそれだけ大事に思っている証拠です。試合にも現れていましたよ。レアル・マドリードのメンバーも彼がクラブやハンガリーにとってどれ程の人か分かっていたんです。間違いなくサッカー史上屈指の選手だと思いますよ」




ヒーローを何時までも忘れないのがサッカーの良い所
引退から40年が経っても変わらぬ尊敬を集めているプスカシュ
これ以上の喜びは無いはずです






フェレンツ・プスカシュ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%84%E3%83%BB%E3%83%97%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%B7%E3%83%A5
http://www.geocities.jp/fb_museum/GreatPlayer/Hungary/puskas.html





FUTBOL MUNDIAL #608●特集3:ハンガリー代表
http://d.hatena.ne.jp/condeuma/20050909





Jスポーツ
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