FUTBOL MUNDIAL #616●特集1:ハート・オブ・ミドロシアン

●特集1:ハート・オブ・ミドロシアン
スコットランドリーグでグラスゴーの2強チームを押さえ首位に立つハーツを特集。

エジンバラ城で有名なスコットランドの首都エジンバラ
この街は60年に優勝したハート・オブ・ミドロシアン以降スコットランドリーグタイトルとは縁がありません


グラスゴーセルティックとレンジャーズがスコットランドリーグのタイトルを独占してきました
この40年、セルティックとレンジャーズで獲得したリーグタイトルは実に35
エジンバラのハーツとハイバーニアンは影の薄い存在でした
しかし今シーズンハーツは、11試合を終えた段階でまだ負けがありません
ホームでレンジャーズを破り、アウェーでセルテックと1対1のドロー
現在堂々の首位に立っているのです
セルティックと引き分けた試合では前半13分に先制ゴールを許してしまったハーツ
控えゴールキーパーのスティーブ・バンクス(Steve Banks)はクレイグ・ビーティ(Craig Beattie)のシュートを止める事は出来ませんでした
今までのハーツならここで諦めていたかもしれません。しかし今シーズンのハーツは違います
失点から僅か3分後、マルセイユからレンタル移籍しているルドルフ・スカチェル(Rudolf Skacel)のゴールで同点に追い付きます
どちらにも勝つチャンスはありました
アラン・トンプソンの左足のシュート、これはバンクスがキッチリセーブします
スカチェルのフリーキックをマイケル・ポスピシル(Michal Pospisil)がが決めていればハーツの勝利でした


しかしドローでも大健闘、ハーツは2位のセルティックを抑えて首位の座をキープしています




昨シーズンはセルティックとレンジャーズに勝ち点40の差をつけられてしまいました
しかしこの夏リトアニアの富豪、ウラジミール・ロマノフ(Vladimir Romanov )氏がハーツ株の大半を獲得し、クラブの負債2000万ポンドを一気に返済
3年以内のタイトル獲得を宣言し、監督もジョンロバートソン(John Robertson)からジョージ・バーリーに変わりました
ティーブン・プレスリーポール・ハートリー(Paul Hartley)とは契約を更新
新戦力も獲得。全てが計画通りに進んでいます




steven pressley
「ハーツに入団して8年目になります。この間には苦しい時期もありました。そう言うときは決まってフロント陣に対するデモも起きています。表には出ていない問題やトラブルも沢山ありました。でもそういう苦しい時期にもようやく終止符が打たれたのです。選手やフロントそしてサポーターの間には結束が生まれています。それは今のハーツのピッチでのプレーと成績を見て貰えれば一目瞭然でしょう」




george burley
「ロマノフ氏がリーグ優勝を狙うという話をした時、最初は誰も信じませんでした。でも10試合を終えた今ひょっとしたらハーツが優勝するかもしれないと人々は考え始めています。これまではスコットランドだけでしか話題に上らなかったハーツが、今ではスコットランドのみならずイギリスやヨーロッパでも話題に取り上げられる様になっています。凄い事ですねぇ。お陰でスコットランドリーグに対する関心も増しています」




イングランドイプスウィッチとダービーでその名を知られる事となったバーリー監督
生まれ故郷のスコットランドに戻るつもりはありませんでしたが、ロマノフ氏の熱心な説得でハーツの監督になる決心をしました
選手からの信望も厚く、バーリー効果は絶大です




paul hartley
「バーリー監督のトレーニングは素晴らしいですねぇ。私達選手のプレーを見て貰えれば、いかに私達が監督の事を信頼しているか分かると思います。監督が来てからハーツは変わりました」




しかし先日ジョージ・フォルクス会長から信じられないニュースが発表されました




george foulkes
ハート・オブ・ミドロシアンの経営陣と監督であるジョージ・バーリー氏との間に埋めがたい大きな考え方の相違が生じました。非常に残念な事ですが、双方の合意の上でバーリ氏の監督退任が決定した事を発表致します」




突然のバーリ監督の退任劇
真相は明らかにされていませんが、チームの内情に度々介入してきたロマノフ氏とバーリー監督との関係が悪化した為との見方が濃厚です
ロマノフ氏が勝手にサミュエル・カモッツォーラ?を獲得した事も原因の一つの様です
何であれハーツのサポーターは落胆の色を隠しきれません




サポーター
「良い監督と良い選手がいて首位に立てていたのにショックですね」




クラブの持ち株比率を55%にしたロマノフ氏
今回の騒動でロマノフ氏を批判する声も少なくはありませんが、彼無しでは今のハーツはありません
トップクラスの選手を獲得し、新スタジアム建設の予定もあります
セルティックやレンジャーズもハーツの選手に興味を示し始めています




steven pressley
「ロマノフ氏がハーツを裕福なクラブへと変身させました。彼には選手をクラブへ留めておく力があると思います。その良い例がスコットランドゴールキーパークレイグ・ゴードンの存在です。彼のお陰でハーツに対する関心が増しています。ディフェンスのアンドリュー・ウェブスター(Andrew Webster)も今シーズンは絶好調で話題を集めています。今までのハーツはこういった選手をいかに高額な移籍金で放出するかで頭を悩ませていました。でも今はロマノフ氏のお陰でその様なプレッシャーはありません」




バーリー監督の退任劇に憤りを感じる選手は少なくありません
ハートリーとスカチェルはダンファームリン(Dunfermline)戦で前監督を支持するメッセージを送っています
バーリーを天性のリーダーと称したプレスリー
今こそ、その真価を発揮してチームを纏める時です
一方ロマノフ氏はここ11ヶ月で4人目となる監督捜しを続けています




george foulkes
スコットランド西部の人達の中にはハーツの成果を良く思っていない人も居ます。マスコミも悪い記事ばかり書き立てます。でも必ず優勝して見せますよ。ハーツを優勝へ導いてくれる監督を見つけてみせます。それがファンの願いでもありますからね」




サッカーにおいてエジンバラのクラブがグラスゴーのクラブと競い合うのは久しぶりの事です
長い間タイトルを独占してきたセルティックとレンジャーズ
しかし今首位に立っているのはハーツです


ハーツが今の無敗記録をさらに更新出来れば、スコットランドでは久しぶりにエキサイティングなタイトルレースを見る事が出来るでしょう






Heart of Midlothian F.C
http://www.heartsfc.premiumtv.co.uk/page/Home/0,,10289,00.html
http://en.wikipedia.org/wiki/Heart_of_Midlothian_F.C.




George Burley
http://en.wikipedia.org/wiki/George_Burley




Paul Hartley
http://en.wikipedia.org/wiki/Paul_Hartley




Steven Pressley
http://en.wikipedia.org/wiki/Steven_Pressley




Vladimir Romanov
http://en.wikipedia.org/wiki/Vladimir_Romanov







Jスポーツ
http://www.jsports.co.jp/program/info/9575.html