FUTBOL MUNDIAL #623●特集3:マイクロチップ内蔵ボール

●特集3:マイクロチップ内蔵ボール
今年のU-17選手権で実験投入もされたマイクロチップ内蔵ボールを検証。

2004年12月
マンチェスターユナイテッドとの対戦で完璧なゴールを認められなかったトッテナム
キーパーのロイキャロルのファンブルをレフェリーが見逃したからです
これを切っ掛けにゴールの判定をサポートするテクノロジーの必要性が、改めて求められる様になりました




2005年9月ペルーでのU−17世界選手権、ここでスポーツメーカーが開発した新しいボールが試されました




christian bohm
「ボールの中にマイクロチップを入れてあって、このチップから送られてくる信号によってボールがどこにあるか判断出来るんです。ゲーム中には難しい状況が色々ありますが、ボールがゴールラインを越えたかどうかは特に重要だと思います。ボールの位置が正確に分かればゴールかどうかハッキリさせる事が出来ます」




クリスティアン・ボームは新しいボールを共同開発したドイツの企業でシニアエンジニアとして働いています
ボールが発信する信号はピッチの周囲に配置されたアンテナを経由してスタジアム内のコンピューターへ
そのコンピューターから瞬時にレフェリーへメッセージを送る仕組みです




christian bohm
「そこがマイクロチップが内蔵されたこのボールの特徴なんです。ボールがゴールラインを越えたら、レフェリーの腕時計にゴールというメッセージが送られます」




2005年2月の国際サッカー評議会では新しいボールは好意的に受けとめられました
これによりレフェリーの権威が下がる事は無いとしてペルーでのU−17世界選手権でテストを許可したのです
レフェリー側も大歓迎でした




mark shield
「信頼に足りて正確な物ならば反対する理由なんてありません。ただボールからのメッセージはあくまでアドバイスであってレフェリーが判断する材料になるだけだと言うことも忘れないで下さい。役に立つと思いますし、間違いが無く信頼出来るものなら、私達レフェリーも歓迎しますよ」




選手にも認められました。従来のボールとの違いを指摘する声も聞かれません
チップの重さは僅か12g
前評判通り空中でボールが伸びないとしても、ゴールキーパーにはむしろ好都合
ではストライカーの反応は?




giovani dos santos
「レフェリーが気付いていなくてもボールがゴールラインを越えたと分かれば凄いですよね。でもこれまで通りのプレーを続けるべきだとも思います。どんなボールを使っていてもサッカーは情熱に溢れていないとねぇ」




ペルーでは32試合で111ゴールが生まれましたが、どれも明らかなゴール
共同開発したメーカーはテストに満足な様子でしたがまだ課題もあると認めています
この為FIFAはクラブ世界選手権での使用を中止
ワールドカップでの採用も見送りました




urs linsi
「メーカー側もさらに改良を続けるとの決定を下していて、その後で改めて新しいボールを提案する意向だという事です。私達FIFAも同意していますよ。成功しないかもしれないボールをワールドカップで使用する必要はないからです。ボールの使用報告は2006年3月の国際サッカー評議会で行う予定です」




将来的には期待できそうな新しいボール
採用までにはまだ時間がかかる様です









Jスポーツ
http://www.jsports.co.jp/program/info/9770.html