フットサルイランの事情と世界選手権

アジア優勝のイラン・フットサル-1
イラン国内で活躍するジャーナリスト、マフディアール・ガッファーリー氏にイラン・フットサルの実態を語ってもらいました。
6年目に入った「フットサル・スーパー・リーグ」

Q:イランのフットサルの強さは全国リーグのお陰であると言われて久しいのですが、そのリーグについて教えてください。

A:設立して6年目に入りますが、最初の2回を制覇したのは エステグラール で、その次はペイマーンが2回連続のタイトルを取り、昨シーズンはパスが栄光に輝きました。そのリーグの誕生前は、フットサルの大会といえば限られた期間のみに開催されるローカル・リーグしかありませんでした。例えば、イレブンのサッカーのリーグが休むラマダン(断食月)の時にラマダン・カップという、夜間に催されていたイベントとか。もっとも重要な大会はテヘランで開催されたもので、その初期にはエステグラール、ペルセポリス、サーイパー、パスといったサッカーの強豪がアウトドアの選手を出すのに対して、地元や弱小チームはフットサルが得意のプレーヤーで競いました。その中で、エステグラールに所属しながら唯一のフットサル専用選手だったのは、ヘイダリヤーンだけでした。当時、フットサル代表選手の中でも、イレブンの経験がないのも、彼だけでした。イランのフットサルの歴史は決して長いわけではない。それでも、なぜ強いかというと、才能あるプレーヤーが豊富だからでしょう。リーグや組織のおかげじゃないでしょう。現在、全国リーグに加盟しているのは、計12チームです。

◆イレブンの選手では、フットサルといえばキャリーミー(カリミ)

Q:ロナウドジーコのように、ブラジルのサッカーのスーパースターの中には、その技術がフットサルで磨かれた選手は多くいますが、イランにはそのようなアウトドアの選手はいるのでしょうか

A:いますね。アジアのマラドナといわれるアリー・キャリーミー(日本で通常「アリ・カリミ」と表記される)がそうですね。約7年前の話ですが、テヘランラマダン・カップエステグラールがファトフを決勝戦で迎えた時、ヘイダリヤーンと無名の選手で勝ちあがった前者がヘイダリヤーンにアウトドアの連中を組ませた。それに対して、ホセイン・シャムス監督(2000年世界選手権グアテマラ大会でイラン代表監督を務めた)が率いるファトフの中心選手がキャリーミーでした。結果は、信じられない活躍でキャリーミーがエステグラールを粉砕した。その後、ペルセポリスがキャリーミーと契約を結んで、やがて彼のことは驚異のテクニシャンとしてアジア全域に知れ渡りました。背番号8をつける彼は今やイラン代表の大黒柱で、所属するクラブ・チームのアル・アーリでも高額の年俸を手にしています。しかし、キャリーミーは一度もフットサルの代表でプレーしたことはありません。あの決勝戦のすぐ後、彼はイレブンのサッカーに移ったからです。
http://futsal.jfa.or.jp/column/column_028.html

アリカリミもフットサル出身かありゃ確かに上手いな。日本の場合はフットサルからメチャクチャ上手い人がサッカー日本代表に入れば一気に盛り上がりそうな気もするが、足裏を使ったプレーを多用する選手はサッカーでも技術がある選手って感じを受けるからなぁ。ユース以下では兼用を義務に近い感じでやってくれんかなぁ。


アジア優勝のイラン・フットサル-2
Q:大活躍するイラン代表ですが、国内においてはマスコミの扱いはどうですか。例えば、アジア大会を優勝した時なんか、新聞の一面に載ったり、スポーツ欄のトップに登場したりしますか。全国大会はいかがでしょう?テレビ放送はありますか。

A:残念ながらそれほど注目されません。フットサルの専門誌や新聞は存在しないし、一般紙でも大きく扱われることもありません。ただ代表はイランで試合をする時にはテレビの生放送はありますね。マカオのような海外の国際試合は、技術的な問題のせいか、放送はないです。全国リーグもテレビに出ません。フットサルがいつマスコミに登場するかというと、アジア大会を制覇した後で、選手がよくテレビや新聞の取材を受けます。
http://futsal.jfa.or.jp/column/column_029.html

アジア優勝のイラン・フットサル-3

◆他の国に比べて

Q:イランの選手や指導者はから見て、日本の選手に比べて、イランの選手はどのようにまさ勝っているでしょう?経験?個人技?組織力?フィジカル?

A:すべての面ですが、個人技は最大の違いでしょう。個人技があってのフットサルなのでブラジル、スペイン、アルゼンチン、ポルトガルなどが抜きん出て、機械的イングランドやドイツが冴えないわけでしょう。まあ、ロシアやウクライナは個人技と組織力をうまく合わせていますけど。個人技だけではフットサルにはなりませんが、それは必要不可欠な要素で、イランの選手は十分持ち構えています。それがアジア王者たる所以ともいえるけど、経験を積み、組織力と身体能力を高めていかないといけません。グアテマラ2000までは、個人技だけでブラジルは世界に君臨していましたが、戦術の達人であるスペインにその地位を取られました。ハビエル・ロサーノの指導でスペインは勝ちましたが、高い技量を持った選手もいました。イランも頑張って進んでいますので、もし日本が同じペースでしか進歩しなかったらいつまでたってもイランに追いつくことはないでしょう。。

Q:それじゃ、南米や欧州の選手に比べればどうですか。イラン人の選手の弱みは何でしょう?

A:弱いところはないと思います。強いていえば経験が少ないことでしょう、それだけ。
http://futsal.jfa.or.jp/column/column_030.html

メチャクチャ自信ありまくりだな。
まあアジア優勝6回らしいからなぁ。当然ではあるか





チャイニーズタイペイ2004を振り返って-1

いい意味でも悪い意味でも、見た試合の中で際立って印象的なのが、イラン対キューバ戦だった。国際試合を殆ど行わずに出場を決めたキューバの敗戦はシナリオどおりだったが、攻撃時の思いっきりの良さとレーザー光線級のシュートは意外な発見で、対するイランもかなりビビッたようだった。

しかし、僕はこの試合でもっとも驚かされたのは、イランの中心選手シャムセーが殆ど出ずっぱりの出場をしたことである。体力の消耗が激しいフットサルでは、テンポの早い選手のローテーションが采配上の常識である。古くから2分ごとの総入れ替え型をかたたくなに実践するロシアやウクライナという極端な例もあるが、個々のプレーヤーの強みを引き出しながら、体力の負担を抑える意味においては、その長短にある程度のバラつきがあっても、この方法の有効性は実証されている。


まるでフットサルの要領を心得ていない素人らしいこの甘さが多くの関係者に衝撃を与えたわけだが、もっともっとショッキングなことに、かつての王者ブラジルがその二の舞を踏むことになることを、誰が予想しただろうか。

順当な結果で勝ち進んだカナリア軍団は、イタリアに一泡を噴かせられたスペインとの準決勝で、立ち上がりからピッチ上にいるファルコンがなかなか交代されなかった。ベッキのエウレルとネトの二人も同様に長時間のプレーを強いられたが、おそらく運動量の少なめのファルコンの分をカバーするために一緒に配置されただろう。それにしても何分経ってもファルコンは引っ込まなかった。

結果は、ファンタスティックなフットサルで多数のサポーターを虜にしながら、スペインとの死闘で散ったブラジル。イランと同様、不必要な悲劇を演じた。

つまり、高いレベルの勝負のおいても、そうではない勝負においても、個々の駒の力量が拮抗している時に、10人の力の方が6人の力を間違いなく上回ることは、フットサルの人数の法則だ。それを肝に銘じて覚えておかないとせっかくの実力は宝の持ち腐れになってしまう。
http://futsal.jfa.or.jp/column/column_031.html

確かに一試合しか見てないが、プレーしてる選手でサボれる時間がないのは見てとれたな。息をつける暇も無い感じだったからなぁ。ありゃきつそう。

チャイニーズタイペイ2004を振り返って-2

そして、ブラズーリ、失礼!、アズーリの13番のサンドロ・ザネッティ。ついこの間プラヤス・デ・カステジョンのメンバーとして来日したブラジル人助っ人の「セコ」ではないか。ただ、彼のブラジル時代のあだ名はイタリア代表での出場時には使えないらしい。イタリアに帰化した選手たちの条件は、イタリア系であることなので、アズーリのユニフォームを着用する時は、なるべくイタリア人らしい名前を乗りなさいということになっているそうだ。

念願のファイナルに到達した今度のイタリア代表で登録されたメンバー14名のうち、このように帰化組みの12名がブラジルからの直輸入である。

この事実に驚くというより呆れる人の方が多いはずだが、イタリアのフットサルはいつもこういう状態ではなかった。96年の世界大会の2次ラウンドに進出したものの、スペインとロシアに次いで3位に甘んじたイタリアは正真正銘のイタリアチームだった。ところが、その大会の終了後、「ブラズーリ化」に踏み切った。



チャイニーズタイペイ大会の最後の土曜日に、主催者のFIFAが催した記者会見では、ブラジル人の記者がこの問題を提起した。「ある国での代表経験があると、他国への移籍はイレブンの世界では到底考えられないのにフットサルではOKなのか。現にブラジル人ストライカーのアイルトンのカタール代表入りをFIFAが阻止したではないか」と。

この問いを受けたFIFAの事務局長のウルス・リンジは、至って歯切れの悪い返事をした。「グローバル化時代には避けて通れない問題」だの、「ルールどおりの選手登録である」だの、とにかく問題の本質に触れようとしない姿勢を貫いた。そして極めつけが「だいたい他のチームからクレームがきていない。大会開始の5日前までに不服を申し出る権利は他のチームにあるから、それがない限りでは、当方としては問題が発生したとみなすわけには行かない」の一言だった。

つまり、FIFAにはチェックをする義務はなく、むしろ参加チームにその取り締まり業務が任せられているというのだろうか。ところが、筆者が聞いたところ、大会前からブラジルからクレームが出た、とテクニカル・スタディ・グループ(TSG)のメンバーがオフレコで漏らした。



読者の方はオリウンディのことをご存知だろうか。イタリアを去り、新世界である南米へと出稼ぎに行ったイタリア人移民のことをoriundiというらしいが、1934年の第2回ワールドカップでは、アルゼンチン国籍のオリウンディで大量に補強されたイタリア代表が初めて優勝した。それをプロパガンダとして利用するムッソリーニのファッショ政権は大喜びだったが、いまだにサッカー史上の汚点のひとつとして語り継がれている。

http://futsal.jfa.or.jp/column/column_032.html

フットサルの方は、他の国の代表経験があってもなれるんだな。徐々に日本も
ニポジル代表になる可能性も無くはないが、まあその前に規約が変わる可能性の方が高いだろうけど。




チャイニーズタイペイ2004を振り返って-3
しかし、実際のところ、結局準決勝のブラジル・スペインは事実上の決勝だった。アルゼンチンが自滅したし、決勝でスペインが接戦ながらイタリアを片付けたし、準決勝のうち、どちらのチームも勝てたといえる試合は、ブラジル・スペイン戦だけだった。やはり「二強」は健在だった。


●対象的なカラーを持つ2チーム
二つのスーパー・チーム、強さの秘訣はどこにあるのか。ブラジルに関していえば、答えは簡単だ。卓越した個人技と多彩な得点パターンは、長年のフットサルの歴史の産物である。今までのどの大会もそうであったように、今回も「魅せるフットサル」というイメージが鮮やかなほど印象付けられた。限りなく多数の名手を排出したブラジルとはいえ、最優秀選手賞と得点王を獲得したファルコンの妙技は、世界選手権レベルでは前代未聞だった。カナリア軍団のほかのメンバーも定評相応なプレーを披露した。

一方では、これだけの凄さを誇る巨人を大舞台で連続して倒したスペイン。「世界王者」という肩書きがそろそろ似合ってきた無敵艦隊のどこがこれだけの実績につながっただろうか。

華があるのはブラジル、しかし無駄のないのはスペイン。豪快さがあるブラジル、隙のないスペイン。千両役者揃いのブラジル、働き蜂のスペイン。




特に恐ろしいのはスペインの鋭い攻め方。極端にピッチの幅をいっぱいに使うパス交換で相手選手同士の距離を極力離し、一対一の場面を演出するスペインはそこからドリブルやコンビネーション・プレーで突破を狙っていく。しかも球際には滅法強いし、仮にボールを取られてもカバーも戻りも早いから、相手陣内の深い位置からの仕掛けでも他のチームに比べればリスクは少ない。

核となる選手の扱いは平等で、新メンバーとして迎えられたマルセロとトーラスとフラン・セレホンとリモネスには、古株のハビ・ロドリゲズとオロールとアンドレウとフリオとキケと同じぐらいの出場時間が与えられた。監督が仕上げたチームの選手を最後まで信用するから、選手もチームのために尽くす。
http://futsal.jfa.or.jp/column/column_033.html

最優秀選手賞と得点王を獲得したファルコンの妙技は、世界選手権レベルでは前代未聞だった。

ファルコン見てえぇぇ
どっかJのクラブで引っ張ってくる事できんかねぇ