CHELSEA TV プロファイル #1 アリエン・ロッベン 後半部

ーーーあなたは3月にチームと契約した時、ユーロでもいいプレーをしたかったでしょうが、チェルシーでも早く実力をアピールしたかったでしょうね


「ユーロはとても大きな大会だから活躍したいと言う気持ちは強かった。僕はユーロで高いレベルのプレーを見せたいと思っていたけど、チェルシーでも早く活躍したいと思っていた。僕にとってのユーロでのプレーもチェルシーでのプレーも同じ位大事だからね。選手にとっては所属チームや相手チームが何処であろうと全ての試合が大切なんだ」




ーーーあなたを獲得したクラウディオ・ラニエリ監督がチームを去った事は気になりましたか?


「特に気にならなかったよ。PSVでも同じ事があったからね。僕を獲得した監督が僕が入団する前にチームを去ったのは今回が2回目なんだ。監督が誰であろうと選手がやるべき事は変わらない。どんな状況でも選手は自分に出来る最高のプレーをするだけだよ」




ーーーロマン・アブラモビッチ氏のオーナー就任や新戦力の獲得等過去数年でチェルシーが大きな変貌を遂げた事はご存知でしたか?


「知ってたよ。チェルシーの動きにはヨーロッパ全体が驚いていたからね。チームの顔ぶれが大きく変わったから、選手はお互いに慣れなければならなかった。僕も入団当初は戸惑いがあったけど、監督やチームの最高経営責任者のケニヨンさんと会って、チーム哲学や今後の方針を確認した後は不安が無くなったから今は何の問題もないよ」




ーーー7月にチームはマテヤ・ケジュマンと契約しました。入団について彼と話しましたか?


「入団について相談はされなかったけど、彼がチームに来てからは彼と良く話しているよ。彼とはPSVで二年間一緒にプレーしたからとても仲がいいんだ。新しいチームに昔からの仲間が居るのは嬉しい事だよ。彼とはオランダ語で話せるしね」




ーーー入団会見ではあなたがデイミアン・ダフとコンビを組めるかどうかについての質問が集中していましたがダフの事はご存知でしたか?


「勿論知っていたよ。僕は入団する前にチェルシーの試合のビデオを見ていたから、ダフの事も知っていた。彼はとても優秀な選手だよ。入団当初は僕が彼と一緒にプレー出来るかどうか心配する人もいたけど、僕は心配していなかった。僕達2人とも前線のポジションは全てこなせるから心配する必要が無かったんだ。それに僕は彼とのポジション争いにも自信があるしね。」




ーーープレシーズン終了後チームの一員として認めて貰う為に監督にプレーをアピールしないといけないというプレッシャーは感じましたか?


「プレッシャーはあったよ。チェルシーには優秀な選手が大勢いるからポジションを獲得するのは大変だけど監督に認めてもらうにはプレーでアピールするしかない。選手として出来るのは常に100%の力を発揮する事。ベストを尽くして監督に気に入ってもらえれば、試合で起用して貰える。もし起用して貰えなかったらそれまで以上に努力するしかないんだ」




ーーーデビューを飾ったセルティック戦では出場してから4分後にエイドゥール・グジョンセンのゴールを演出しました。あの試合でのプレーには満足しましたか?


「満足したよ。新しいチームでの最初の試合でいいプレーが出来たからね。新天地での最初の試合はいつも特別だけど、チェルシーのブルーのユニフォームを着てプレーするのは最高の気分だったよ」




ーーーあなたはローマ戦では後半に出場してケジュマンのゴールをお膳立てしましたが、その後オリビエ・ダクールにファールをされましたね。


「あの時の事は良く覚えて無いんだけど、ドリブルで彼を抜いた後に後ろから誰かに蹴られたんだ。僕はバランスを崩して右側に倒れた。僕は足首を捻挫してしまったと思ったけど、実は骨折していたんだ。あのような形で怪我をするとは思っていなかったから、自分でも信じられなかった。でも親善試合であんな事をするなんて酷いよね」




ーーー新しいチームでプレーをアピールしなければならない時に、怪我をしてしまったのはとても悔しかったでしょうね


「新しいチームに入団した直後に怪我をして戦列を離れるのは選手にとって凄く辛い事なんだ。あの時は僕も悔しくて仕方が無かったよ。いいプレーをしようとして頑張っているのに怪我をした事で2ヶ月半もの戦線離脱を余儀なくされてしまった。あの時期は本当に辛かったよ。シーズンが開幕してチームが大勢のサポーターの前でプレーするのを見て凄く羨ましかった。僕も早く皆とプレーしたいと心から思った。だから僕は一生懸命練習に励んだんだ。」




ーーートレーナーが付いているとはいえ、1人での練習は孤独なものですよね


「そうだね。リハビリ中はトレーナーやチームドクターの指示にしたがって練習しなければならないんだ。チームと一緒に練習出来ないのは寂しかったよ。それに僕はまだ移籍してきたばかりだったから早くチームに慣れなければならなかったのに、怪我をしたせいでチームを離れなければならなかった。これは凄く辛かったよ。」




ーーーダフが肩の怪我から復帰する前にあなたの怪我は既に治っていたとジョゼモウリーニョ監督は話していましたが、あなたが直ぐに戦列に復帰しなかったのは怪我の事だけでなく、精神的な事も関係していたのですか?


「そうだね。僕は足首の怪我が治るまでかなり時間がかかったから、怪我が直ったあと直ぐに復帰しても全力でプレー出来る自信が無かった。でも練習を重ねるにつれて体調はどんどん良くなったし自信も戻ってきた。僕は体力面と精神面の両方が戻った時に戦列に復帰したんだ」




ーーーブラックバーン戦の後半18分、サポーターはあなたを暖かく迎えてくれましたね


「信じられない気分だった。あれは最高の瞬間だったよ。スタンディングオベーションで僕を迎えてくれたサポーターに心から感謝している。本当に感動したよ」




ーーーチャンピオンズリーグのチェスカモスクワ戦では見事なゴールを決めましたね


「あれはいいゴールだったね。ゴール前に走りこんだダフが僕に絶妙なヒールパスを通してくれた。僕はディフェンダーを1人かわしてからゴール右隅にシュートを流し込んだんだ」




ーーーダフとは既に数試合プレーしていますが彼との相性はいかがですか?


「彼との相性は凄くいいよ。ウイングにスピードのある選手が2人いるのは相手ディフェンスにとっては嫌だろうね。僕達は2人とも左足が利き足という事も武器になっている。相手ディフェンスが僕達2人を同時に止めるのは難しい事だから、ダフと僕のコンビは相手チームにとっては脅威だよ」




ーーー試合前にいつも誰かがチームの士気を高める言葉を言っていますが、ホームでのエヴァートン戦はあなたの番でした。あの時何を言うか決めるのは難しかったですか?


「そうだね。誰が言うかは試合の2時間前ぐらいに決まるんだ。僕の様な外国人選手は言うことを最初に英語に直さないといけないから大変なんだ。僕は皆のようにスラスラと英語は喋れないけどあの時はチームに伝えたい事を自分の言葉で一生懸命伝えたよ」




ーーー試合前にスピーチをする事でチームの士気は高まっていますか?


「チームの士気はいつも凄く高いよ。チームは一丸となって戦っているし、自分だけの事を考えている選手なんて1人も居ない。スタメンの11人だけではなくて控え選手やスタッフを含んだ全員がチームの事を最優先している。みんなの考えが一致している事もチームが好調をキープしている原因の一つだと思うよ」




ーーー監督はあの試合であなたとダフとグジョンセンをスタメンで起用しました。これは3人の理解を深める為だったのでしょうか?


「お互いを理解しあうのは大事な事だよ。グジョンセンとダフは昨シーズンも一緒にプレーしていたけど、僕は居なかったからお互いのプレーに慣れる為に一緒にプレーする事になったんだ。それにチェルシーではスタメンが入れ替わるのは良くある事。グジョンセンとダフと一緒にプレーした時は全てが順調だったよ」




ーーーあなたはダフとポジションチェンジをする事がありますがこれは監督の指示でやってるんですか?


「いやこれは2人で勝手にやっている事なんだ。誰がフリーキックを蹴るかとか、誰が何時ポジションチェンジをするかは基本的には選手に任されているから、僕とダフがポジションチェンジする時も監督から指示がある訳では無くて、自分達で考えてやっているんだ」




ーーーモウリーニョ監督はあなたを素晴らしい選手だと高く評価しています。この言葉はプレッシャーになりませんか?


「プレッシャーにはならないよ。今までの努力を評価して貰えて嬉しいよ。僕はこれからも今までと同じように自分らしいプレーを心がけていきたい。監督に褒められるのは、とても嬉しい事だけど、褒められた事をプレッシャーに感じる必要は無い。これから先もチームの為に毎試合ベストを尽くしていくつもりだよ。」




ーーー貴方はカーリングカップニューカッスル戦では延長後半にゴールを決めました。サイドライン際でボールを持ってから冷静でしたね


「パスを貰ってから長い距離を走らなければならなかったけど、あれはいいゴールだった。自分でも満足しているよ。でも僕はゴールばかり狙っているのではなくて、味方のゴールチャンスも作ろうとしているんだ。試合で勝てるのなら誰がゴールを決めるのかは関係ない。勿論自分で決めた時も嬉しいけどね」




ーーーフルハム戦では4ゴールの快勝でした。ここではフランク・ランパードと重なりましたね


「あのシーンをテレビで見たとき面白くてつい笑ってしまったよ。僕はボールに集中していたからすぐ横にランパードが居た事には気づかなかったんだ。あの時は僕がゴールを決めたけど、誰が点を取ったかなんて重要じゃないんだ」




ーーー怪我から復帰してからの御自信のプレーには満足していますか?


「うんそれなりに満足はしているよ、僕は長い間怪我で戦列を離れていたから、復帰してからいいプレーが出来ている事をとても嬉しく思っているよ。でも僕は自分のプレーに完全に満足している訳では無いんだ。これからも毎試合さらに向上していきたいと考えている。僕はまだ全ての能力を発揮出来ていないし、もっといいプレーが出来ると信じているから努力を続けていくつもりだよ」




ーーープレミアリーグの印象は?


「毎試合楽しみながらプレーしているよ。雰囲気は最高だし、イングランドのサポーターはフットボールを愛しているからね。大勢の熱狂的なサポーターの前でプレー出来るのは幸せな事だよ。僕達にはまだ4冠の可能性が残っている。実際達成するのは難しいかもしれないけど、可能性がある限り諦めないよ。僕達の目標は全ての大会で優勝する事。その目標を達成する為に全力を尽くすよ。その中でも僕達にとって最も大事なのはリーグ優勝する事だね」



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