FUTBOL MUNDIAL #593●特集1:インドサッカー

●特集1:インドサッカー
インドにおけるリーグと代表のサッカー事情をスペシャルでリポート。

10億人以上の人々が暮らすインド
様々な表情を見せる魅力的な国です
何処へ行っても活気に溢れ情熱に満ちています



インドで人気を集めるスポーツはクリケット、アーチェリー、ホッケー、そして勿論サッカーです
この所は目立った成績を残せてはいませんが、世界第2位の人口を思えば潜在能力は否定出来ません。



インドサッカーの歴史上のハイライトは2度のオリンピック出場を果たした1950年代
1950年にはワールドカップの出場権を獲得しながら、裸足での参加が認められず、棄権した事もありました



長い低迷の原因をインドサッカー協会の会長に聞きます




priya ranjan dasmunshi
「インドのサッカーにはFIFAより長い歴史があるんですよ。ただアマチュアべースでスタートして6年前まではずっとそのままの状態でした。世界中に広まったプロ化の波に太刀打ちできないのはそのせいなんです」




イギリスからインドにサッカーが伝わったのは19世紀
インド国内でナンバー1のスポーツは同様にして入ってきたクリケットですが、サッカーの人気がクリケット上回っている地域があります



例えばインド西部のゴア州
1542年にポルトガル領となったゴアは独特の文化を持っています
419年にも及ぶポルトガルの支配が建造物や宗教に影響を与えました
ゴア州全体で100近い教会があり人口の半分はカトリック教徒


ポルトガル人はサッカーが好きでした
ここではクリケット場では無くゴールポストが作られ州全体に広がったのです



州のサッカー協会会長に聞きます




savio messias
「ゴアの人たちは3つのFを大事にしていると言われているんです。フットボール、フィッシュ、そしてフェニー。フェニーと言うのは地元特産のお酒です。サッカーは本当に人気がありますねぇ。ポルトガル人から影響を受けたんだと思います。最初はポルトガルの選手に興味を抱いて、その後地元の人がプレー自体に関心を持ち始めました。ポルトガルとゴアの人たちの融合がゲームを発展させたんでしょうね」




そしてサッカーはこの地域で重要な役割を果たしています
聖職者から漁師まで様々な人達が州内のトーナメントに参加します
かなりの真剣勝負で観客も沢山集まります
トーナメントの数は毎年40以上。しかも優勝賞金まで用意されているのです
真剣になっているのは選手だけではありません




savio messias
「地域の人たちは予定が無い日の夕方に集まって一緒にゲームを見に行く事が多いんですよ。サッカー観戦以外にも流行っている事があって、それが賭けをする事なんです。例えば違う地域のチーム同士が対戦すると、それぞれの地域の人たちは応援をしながら賭けにも参加します。それもここでのトーナメントの魅力の一つですね」




ナショナルリーグでも勢力を誇るゴア
12チーム中半分の6チームがゴアのクラブでこのネルースタジアム(Nehru Stadium, Goa)に本拠を置いているのです
名門と言えばバスコ・スポーツクラブ(Vasco Sports Club )ですが最近急成長しているクラブがあります



それは地元の建設会社の支援を受けるスポルティング・クラブ・デ・ゴア
チームには3人のナイジェリア人がいます
チディ・イデー(Chidi Edeh)、アレバヨ・アデウシ(Adebayo Adewusi)そしてドゥドゥ・オマグベニ(dudu omagbemi)


インドのサッカーの印象は?




dudu omagbemi
「インドでのプレーは楽ですよ。ナイジェリアとはスタイルが違いますね。アフリカの選手はタフで身体も強いですから何処へ行ってもプレー出来るんです」



22ゴールをあげて得点ランキングでトップのドゥドゥ
スポルティングは同じゴアのデンポ(Dempo)を抑えて優勝争いでトップです
ナイジェリア人選手の加入は、ゴアだけでなくリーグ全体のレベルアップにも役立っています



クリケット以上にサッカーが盛んなのはインドではゴアだけかもしれません
ただインドでサッカーの聖地と言えばコルカタです


1690年イギリスの貿易会社である東インド会社の拠点として建設され、その後急速に発展
大英帝国の中でロンドンに次いで2番目に人口の多い都市になったのです
現在1400万人が暮らしインド第3の都市であるコルカタ
活気と不潔さ、魅力と貧しさ、そして植民地の名残が等しく垣間見られます



ゴアでのポルトガル人の様にコルカタにサッカーをもたらしたのはイギリス人でした
1880年代にインドで最初のサッカークラブが出来たのはコルカタです
それ以来サッカー人気は定着
現在ナショナルリーグには3チームが所属しています



そしてここはイースベンガルとモフンバガンが激突するコルカタダービーの舞台
インドで一番のビッグマッチです
歴史的に見ても両クラブはインド屈指の強豪でライバル意識も相当なものです


ジャーナリストに話を聞きます



dhiman sarkar
「イギリスから独立した直後ベンガルが分断され国が分断された時、大勢が自分達のルーツから切り離され、西側での生活を強いられました。そういう人達にとってイースベンガルは心の拠り所だったんです。東側に居た頃のアイデンティティの象徴になっていたんだと思います。そうやってライバル意識が芽生えました。モフンバガンの方はコルカタの名門です。イタリアのインテルミランと同じですよ。インテルはその名の通りイギリス人を中心とした移民が作ったクラブでミランは地元の名門。つまりサッカーは一つの手段でした。東ベンガルから追われた人たちへのアピールにゲームを利用したのです」




1889年に創立したモフンバガンはインドを代表する存在です
911年歴史的な一戦で勝利を収めます
IFAシールド?の決勝に裸足で臨み、東ヨークシャー連隊を2対1で破ったのです
それ以降国内のタイトルを独占
インドサッカー界を席巻しました


ただ時代は流れ現在は厳しい状況に直面しています
降格の危機に加え先行きも不透明。サポーターも困惑しているはずです
一体どうしてしまったのでしょうか?




dhiman sarkar
「モフンバガンの不振はピッチとは関係の無い運営上の問題に関係しているんです。ここ数年クラブ内で選挙が行われていません。経理に問題があって財政難は深刻です。そういう事がチームに影響を及ぼしているんですよ。問題が持ち上がってから、もう10年ですけどそろそろ山場でしょうね」




対照的にディフェンディングチャンピオンイースベンガルは順調です
2003年には東南アジアクラブ選手権で優勝しました
国内最高の設備を誇り、選手の年俸もトップ
ただスバス・ボーミック監督は現状に満足していません
クラブが株式を発行すればもっと発展していけると考えているのです




subhas bhomick
「その為には株式会社になる必要がありますねぇ。それからチームの事に関しては自分達のスタジアムを作るべきです。このグラウンドはクラブでは無く政府の物。ですからホッケーの試合で使用される時もあって自由に使えません。バイオメカニックに基づいたラボや最新式のジムも欲しいですね。そういう事が改善されればもっとレベルアップ出来ますよ」




イースベンガルにはインドのスター、バイチュンブチアが居ます
代表キャプテンのブチアは初めてヨーロッパでプレーした選手です
1999年にイングランド3部相当のベリーに移籍しましたが、怪我等で結果を出せず
2002年に戻って現在は国内のコーチングシステムの改革に力を注いでいます
彼は若い時に受けた指導には満足出来なかったと言います




baichung bhutia
コーチングはあまり良くありませんね。インドの現状を見れば明らかです。サッカーが好きでただ楽しむ為にやっている様な感じですから。僕自身も自分を導いてくれる様なレベルの高い指導者から基礎を教わった事すら無いんです」




実はインドトップリーグの中にアカデミーを持っているクラブは一つも無いのです
国内のアカデミーはジャミシェロプール?にある一箇所だけ
1987年に創立され卒業生の内90人が代表メンバーになっています




baichung bhutia
「可能性は十分にあるんです。でもそれを上手く活かせていないのが問題なんですよ。12、3歳の時点では素晴らしい才能を持った子供達も居ます。でもその後のフォローが必要なんです。これまでとは違う的確な指導が行われるべきだと思いますね」




今回のコルカタダービー
ブチアは出場停止でした。それでもソルトレイクスタジアム(Saltlake Stadium)には5万人が集まりました


両クラブの状況は対照的
モフンバガンは残留を、イースベンガルは優勝を狙っています
しかし269回目を迎えたダービーに懸ける想いは互角です


開始15分最初のチャンスはモフンバガン
PKの主張は認められませんでした
落ち着きを取り戻したイースベンガルは次第に主導権を握ります


気温は40度近く、選手にとってもファンにとってもハーフタイムは貴重です
現状ではナイトゲームは出来ません。照明を付ける余裕が無いからです


後半は完全なイースベンガルのペース
そして31分ラヒム・ナビ(Syed Rahim Nabi)がこの試合を決めた唯一のゴールをあげます


かつては10万人を集めたコルカタダービー
ボーミック監督も人気に翳りが出ていると気に病んでいます




subhas bhomick
「本当に心配ですよ。それに対して効果的な対策は練られていませんしねぇ。一言で言うとこういう事です。70年代インドと日本は低迷して似た様な状況でした。それが80年代の後半になって日本が突然目覚めて政治家も率先して事に当たったんです。残念ながらこの国ではそういう人が出ていません」




1990年代に導入された衛星放送も国内リーグには手強いライバル
インドのサッカーファンはチャンピオンズリーグを含めヨーロッパのトップリーグを毎週見る事が出来ます
プレミアリーグの人気カードともなれば、視聴者が500万人近くになるケースもあり、これでは国内リーグはとても太刀打ち出来ません
ただ希望はあると言うジャーナリストもいます




novy kapadia
「インド全体にサッカー人気を広めるんです。国内リーグを全国で見られる様にすればいい。丁度大勢の人が見る時間帯ですからね。そこからヒーローを作り上げればインドサッカーは復活出来ますよ」



インドサッカーは問題を抱えています
しかし一方でゲームへの情熱と大きな可能性がある事も確かです
各クラブと協会が協力していけば、アジアの強豪に肩を並べる可能性も高いのではないでしょうか



Coach's Profile
SUBHASH BHOWMICK

Date of Birth: 2/10/1950

Career as a player:

Played for both the Derby clubs - Kingfisher East Bengal and McDowell Mohun Bagan

Played in East Bengal - 1969, 1973 - 1975, 1979

Played in Mohun Bagan - 1970 - 1972,1976-1978

Represented the state of West Bengal from 1966 to 1975

Adjudged Best Player in Interstate in 1966 (junior) and 1971 & 1975 (senior)

Represented the Senior National Team from 1969 to 1976

Member of Bronze Medal winning National Team for 1970 Asian Games
Career as a coach:

Coached the National Team in 1986

Coach of West Bengal state Team in 1989

Head Coach of Mohun Bagan in 1991

Head Coach of East Bengal :
1999 - 2000
2001 - 2002
2002 - 2003
2003 - 2004
2004 till date
Under his coaching East Bengal has won 2 National Football Leagues and 1 Asean Cup Championship, along with various other domestic tournaments.

He is considered one of the most successful coaches of modern day club football in India.

http://www.eastbengalfootballclub.com/club/coach.asp

Coach
Subhash Bhowmick : First coached KEBFC in 1999-2000 during the 4th National Football League(NFL). Came back to the post during the second phase of the 6th NFL in 2001-2002 and has been the most potent guiding force of KEBFC ever since. Is arguably the most successful Indian Coach with KEBFC. His relationship with the club goes back to his playing days as one of the best footballer of a far more
successful Indian side. Read more in 'Coach's Profile'
http://www.eastbengalfootballclub.com/club/squadManagement.asp

バイチュン・ブチア
Player Details
KF East Bengal, Kolkata 2004-2005

Name : Bhaichung Bhutia
Date of Birth : June 15, 1976
Started Playing Since : 2000
Position : Forward
Previous Club : KF East Bengal
Total Score (in current Season) : 10 goals
Achievements (in current Season) :
Total Score (in career) : 10 goals
Total Booking (in current Season) : Red Card : 0
Yellow Card : 0
http://www.eastbengalfootballclub.com/match/playerDetail.asp?sid=2&id=34

ラヒム・ナビ
Player Details
KF East Bengal, Kolkata 2004-2005

Name : Syed Rahim Nabi
Date of Birth : May 19, 1978
Started Playing Since : 1997
Position : Forward
Previous Club : MD. Sporting
Total Score (in current Season) : 3 goals
Achievements (in current Season) :
Total Score (in career) : 48 goals
Total Booking (in current Season) : Red Card : 0
Yellow Card : 0
http://www.eastbengalfootballclub.com/match/playerDetail.asp?sid=2&id=33


Team Details
http://www.eastbengalfootballclub.com/club/players.asp




Current Squad
http://www.eastbengalfootballclub.com/club/currentSquad.asp




モフンバガン(MOHUN BAGAN ATHLETIC CLUB)
http://www.mohunbaganclub.com/




East Bengal Club
http://www.eastbengalfootballclub.com/




Sporting Clube de Goa
見つからず




Vasco Sports Club
http://www.vascoclub.com/





Information on Indian Clubs
http://www.indianfootball.com/team/index.html




All India Football Federation
http://www.aiffonline.com/




インドナショナルリーグ
2004−2005シーズン

LEAGUE STANDING PTS
1 Dempo {Champions} 47
2 Sporting Club de Goa 45
3 East Bengal 43
4 Mahindra United 35
5 Fransa Football Club 30
6 Salgaocar 28
7 JCT Mills 28
8 Churchill Brothers 23
9 Mohun Bagan 23
10 VASCO SPORTS CLUB 20
11 State Bank of Tranvancore 18
12 Tollygunge Aggragami 15
{ at end of round 22, May 21, 2005 }


インドでは日本では政治家も率先してサッカーの為に何かやった様にとらえられてるのが面白いな。そんなの居たか?ゴミの様な国と共催する様に圧力をかけたりしたのや、これまたゴミの様な糞スタを僻地に建てて儲けたんだろうってのは沢山いた気がするけど。役にたったのはおったかな。思い浮かばんな。

どうせなら、顎の長い男が拳を突き上げ、人々の頬を張りながら、スポーツに拠る平和を掲げて立ち上がったとかって話を誰かが吹き込んでて欲しいなw




http://www.jsports.co.jp/program/info/7637.html