Football Business3ユベントス 新たなビジネス ロミーガイの改革Ⅳ

ロミーガイの改革Ⅳ
新たなビジネス



ユベントス株式会社の一員になって13年
チーム経営に斬新な手法を取り入れ、新時代を築き上げてきたロミーガイ
彼の次なる挑戦とは果たして




ロミー・ガイ
「現在のユベントスは他のクラブが目指す素晴らしいチームになりました。しかし唯一の弱点がスタジアム事業です」




イタリアセリエAに在籍する殆どのクラブはホームスタジアムを自治体から借り受け、その巨額のスタジアム賃貸料が経営のネックになっています


ユベントスも例外では無く、トリノ市に年間2億円を払い続けているのです




ロミー・ガイ
「スタジアムに関しては経営面から見ると非常に大きな投資であるにも関わらず、シーズン中は月にたったの2回しか使用していません。この無駄は改善する必要があります」




世界のクラブの中でスタジアム事業による収益を最も上げているのはマンチェスター・ユナイテッド
ホームスタジアム、オールドトラフォード内にミュージアムやオフィシャルショップを設け、試合が無い日も多くのサポーターが足を運んでいます



そのマンチェスターユナイテッドに見習い、ユベントスもイタリアで初となるプロジェクトをスタートしようとしています




ロミー・ガイ
ユベントスは90年のワールドカップ時に建設されたデッレアルピとその周辺の土地をトリノ市から99年間の賃貸、いわば事実上購入する事が決定しました。これにより回収工事も可能となり、イタリアで初となる複合娯楽施設で完全バリアフリーの新スタジアムを建設したいと考えています。スタジアム事業において最先端を行っているのはマンチェスターユナイテッドです。我々もマンチェスターユナイテッドと同じレベルとはいかないまでも、今後のプロジェクトではスタジアム事業にかなりの重点を置いているのは確かです。トリノ市はロンドンやパリの様な大都市が持つ潜在能力はありません。しかしながら新スタジアムの完成により収益を上げる事は可能だと思っています。この事業の成功がイタリアサッカー界のリーダーである我々ユベントスの使命だと考えます。私はサポーターとの親密な関係を構築していく上で新たなアプローチが必要だと思うのです。その一つが新しいスタジアムの建設でありこの事業の意味をサポーターは理解し支えてくれると確信しています」




常に先を見つめるユベントス
その新スタジアム構想について事業を担当するマーケティングディレクターはこう語ります




マルコ・ファッソーネ
マーケティング
「我々の新しいスタジアムは大きく変わる事になると思います。西のメインスタンド側にはユベントスの本社を置く予定で会社とスタジアムを連携させた新しい形のスタジアムです。一方東のバックスタンド側にはショッピングアーケードを建設しようと考えています。商業施設を持つスタジアムとしたはヨーロッパで一番の大きさを目指します。スポーツと商業が融合した様々なニーズに応えられるホームスタジアムになる予定です」




さらに現在フィアット社から借りている練習場シースポルト(SISPORT)からも撤退し
チーム所有のスポーツセンター、モンドユーベを新たに建設する構想も進行しています




ロミー・ガイ
「2007年完成予定の新スタジアムと今年の終わりに完成するユベントス初のスポーツセンター、モンドユーベは共に大きなプロジェクトといえます。通常こういったプロジェクトには大金がかかるのですが長期的なヴィジョンを持って臨んでいます。我々はこのモンドユーベの為にトリノ南部の土地を購入し、そこに国際レベルのショッピングセンターを併設します。これにより不動産投資からの利益も見込む事が出来るのです」




マルコ・ファッソーネ
マーケティング
「スポーツセンターはセリエA初、おそらく世界初かもしれないのですが、チームの全てのカテゴリーを一箇所に統合する事になります。下はプルチーム?プリマベーラ、そしてトップチームまでがこの最新の多機能総合スポーツセンターに集合して練習を行い、ユース部門の試合もここで行います。そしてこのスポーツセンターは単なるトレーニング施設ではありません。クラブハウスも備える事を予定しています。そのクラブハウスではメディアサービスやユベントスの商業パートナー関連、即ちスポンサーのPR等も行う予定になっています。様々な情報発信基地にもなる訳です」




チームをあげての巨大プロジェクトの進行に伴い、ロミー・ガイ率いるマーケティング部門は今後どこに最も力を注いでいくつもりなのでしょうか?




ロミー・ガイ
「私はユベントスが新たな資産を手にする為に努力を続けてきました。その集大成とも言える新スタジアムとスポーツセンターの建設が今後のチャレンジの核となる事は間違いありません。ここで最も重要となってくるのがこれらの自社設備を上手く管理し、運営する事です。そして今までとは違った収益体質に変える事も大切です。私は現在この二つに力を注いでいます」




時代を見据え常に先を読み、これまでその経営手腕を存分に発揮してきたロミーガイ
飽くなき挑戦を続ける彼にとってのフットボールビジネスとは一体どんな物なのでしょうか?




ロミー・ガイ
「私にとってフットボールビジネスとは正面からは決して見えない月の裏側半分の様なものです。表で輝く選手の裏側に私達は存在している。表からは我々の姿が見えない事が重要なのです」






以下を2008年10月29日に追記
大きな前進を見せるUFL
2008年10月28日
http://www.the-afc.com/jpn/articles/viewArticle.jsp_168297647.html