FUTBOL MUNDIAL #605●特集2：イランのゴールプロジェクト

●特集2：イランのゴールプロジェクト
イランで成果を挙げているFIFAゴールプロジェクトをレポート。

１９９８年フランスのリヨンで、イランはアメリカ相手にＦＩＦＡワールドカップでの初勝利という歴史的な一勝をあげました
２００６年のドイツ大会での目標はアジアのライバルに続くべくグループリーグを突破する事
９８年の時点ではそれはかなり高いハードルでした
才能ある選手を育てようと国内リーグの再編成に着手し始めたばかりだったからです

プロジェクトの資金を確保する為にＦＩＦＡに詳細な計画を持ちかけたのはハッサン・ガファリです

hassan ghaffari
「ＦＩＦＡゴールプロジェクトの全面的な協力を得てイランフットボールアカデミーを作りました。若手の育成に役立ちましたねぇ。今では素晴らしい施設を使い放題ですし、才能の発掘も容易になっています。４年前には１０歳以下、１１歳以下のカテゴリーにいた選手が１５歳以下のカテゴリーを卒業しているんです。彼らは近い将来ユースチームの要へと成長していくでしょう」

ＦＩＦＡの協力の下イランサッカー連盟は二つの取り組みに成功しました
その一つが国内初のアカデミー、現在では指導者の養成施設も兼ねています
受講生の多くは元代表メンバー、これまでに１万１千人以上が巣立っています

naser saleh
「ここで指導を受けたコーチ達は地元へ帰って各地から若手をスカウトして連れてくるんです。そうして集められた金の卵を連盟のユース組織に預けます。この様な形で下は１０歳以下からあらゆるカテゴリーのユースチームを確立していっています。最終的にはフル代表にも繋がっていくんです」

スカウティングシステムを統括しているのが連盟のテクニカルディレクター、フェレドゥーン・モイニです
テヘランのストリートからイラン代表まで登りつめた選手でした

fereydoon moini
「イランでは元々殆どの子供達が近所の荒れたグラウンドでしかプレーした事が無かったんです。若い世代への指導も行き届いていませんでした。一握りのクラブや監督が国中のストリートで将来有望な若手を探そうとする程度だったんです。そうして見つけた選手に対しても指導と呼べるのは練習試合位でしたから。お陰さまで今はそんな事はありません。ＦＩＦＡの力添えもあって私達の様な国でもインフラを整えて選手を育てる事が出来る様になったんです」

アカデミーには６面のピッチがあり指導者や選手の為の食事付きの寮も完備
立派な施設は国内外の指導者からも高い評価を受けています

ademar
「ここには私達の指導法を実践するのに必要な物が全て揃っています。自分達にとって馴染みのあるブラジル式のやり方がベースになっているんです。これだけ環境が整っていれば一生懸命やった事の成果は直に表れてくると確信していますよ」

ブラジル人コーチアデマールとバグネルはユースの指導の為に招かれました
このカテゴリーで外国人の指導者を迎えるのは四半世紀ぶり
２００７年のＦＩＦＡワールドユース選手権とＵ−１７世界選手権への出場を目指します

屋内練習場は主に女子選手が使っています
現在の所女子はフットサルに限ってプレーが認められています

fereydoon moini
「イランの女性はサッカーに夢中ですよ。地方に派遣して指導者を育てられる様に女性のインストラクターも何人か育成しています。この分野では遅れを取っていますが、近い内に女子選手の要望にも応えられる様にしたいと思っているんです。他の国と同じ様にね」

イランフットボールアカデミーはＦＩＦＡゴールプロジェクトの意義を証明しています
この活動に触発され私立のサッカースクールも誕生し始めました

イランサッカーの未来は明るく輝いています

The first Goal Project
http://www.fifa.com/GoalProject/jsp/IRN_2001_ENG.html

The second Goal project
http://www.fifa.com/GoalProject/jsp/IRN_2004_ENG.html

ゴールプログラム
http://www.fifa.com/en/development/goal/index.html

FUTBOL MUNDIAL #599●特集1:イラン代表
http://d.hatena.ne.jp/condeuma/20050708

FUTBOL MUNDIAL #598●特集3：アサディ・スタジアム
http://d.hatena.ne.jp/condeuma/20050701