CHELSEA TV モウリーニョ・マンスリー #3 上

最初の30秒から1分録画出来ず




とても大事でしたが、その理由はあの優勝トロフィーが欲しかったからです。優勝が我々の目標ですからね。それに相手がアーセナルだったということも大きかったです。我々はあの試合の2週間後、リーグ戦で再びアーセナルと対戦する事になっていたので、勝って精神的に優位に立つことが重要でした





―――コニュニティシールドで勝った後、リーグ開幕戦でウィガンと対戦しました。苦戦は予想していましたか?



私は苦戦を予想していましたが、選手は私の言葉を信じてなかったのかもしれません。あの日我がチームはとても不調でした。特に前半は持ち味を発揮できず、試合の主導権を握る事が出来ませんでした。後半はそれなりのプレーが出来ましたが、ウィガンも好調だったので引き分けに終わってもおかしくありませんでした。我がチームはエルナン・クレスポの素晴らしい決勝ゴールでかろうじて勝つ事が出来ました。しかしあれは我々にとって非常に厳しい試合でした。ウィガンはあの後も好調をキープしているので、我がチームとの開幕戦で発揮した強さは本物だと思います





―――試合後ポール・ジュエル監督に何か言われましたか?



特別な事は何も言われませんでしたよ。勝てなかったのは残念だったと思いますが、彼はチームのプレーに手応えを感じ、その後の戦いに向けて自信が持てた様です。ウィガンは試合には負けましたが、内容では互角だったので彼らが順調に勝ち点を獲得してるのは私にとっても嬉しい事です





―――あの後、殆どの選手が代表戦の為チームを離れました。あれは監督にとって残念だったのでは?



ええ。まだ本調子では無いシーズン開幕直後にチームがバラバラになってしまうのは通常あまり無い事です。同じチームの選手がシーズン中、凡そ2週間も離ればなれになってしまうというのは良い事ではありません。しかし選手はプレシーズンの数週間はずっと一緒だったので違う環境に行けて気分転換出来たと思います。代表チームは雰囲気が違いますし、母国の為にプレーするのは選手にとって良い事ですしね





―――母国でのインンタビューで監督の選手起用を批判したヒカルド・カルバーリョを選手全員の前で非難しました



彼が自分の意見を公表したので、私も考えを隠しておく必要は無いと思いました。身内の問題は公の場で発表するのでは無く、身内で解決するべきです。チームは大きな一つの家族です。彼は当時自分の置かれた状況に不満を感じていたのでしょうが、あの様に意見を公表するべきではありませんでした。しかし形はどうであれ、彼は不満を吐き出しその行動に対する処分も受けました。そしてあれからしばらく経った今、あの時の対処方法が正しかった事が結果に現れています。試合を見れば分かりますがヒカルド・カルバーリョはこの所とても良いプレーをしていますからね





―――アーゼナルとのリーグ戦の前に、各地で代表戦が行われました。代表戦の結果はその後リーグ戦での選手のプレーに影響すると思いますか?



その様な事が無い様、選手には言い聞かせています。普段は代表の事では無く所属クラブの事を考え、代表チームに居る時は所属クラブの事は考えないようにと。ですから我がチームの場合は問題ありません。選手は疲れた状態でチームに戻ってきます。しかしハートと勝利への執念は変わらないのでプレーに影響はありませんよ





―――ミハエル・エッシェンの加入で戦力は全て整いましたか?



そうですね。彼が加入するまでチームのバランスがとれていませんでした。それは中盤の選手を複数失ってしまったからです。スコット・パーカー、アレクセイ・スメルティンやイリ・ヤロシク、それにティアゴも移籍してしまいました。我々はエルナン・クレスポ、ショーンライトフィリップス、アシエル・デルオルノを加えた事でフォワードとディフェンスは補強出来ました。しかし中盤を補強するためにそれまでチームに居なかった新しいタイプの選手を獲得する必要があったのです。そこで我々はエッシェンを獲得しました。彼は攻撃的なプレーが出来るミッドフィルダーですが、クロードマケレレの役割もこなせるからです。以前マケレレが怪我の為試合に出られなかった時、エッシェンが代役を務めてくれました





―――シーズン序盤にアーセナルと当たりましたが、直接対決は少し後の方が良いと思わなかったですか?



思わなかったですね。昨シーズンは開幕戦でマンチェスターユナイテッドと対戦し、今シーズンは序盤にアーセナルと対戦いました。リーグ戦は38試合の長丁場なのでシーズンのどの時機でどこと対戦するかは重要ではありません





―――8月にティアゴがチームを去りました。彼の移籍は残念でしたが、彼が移籍を望んだ理由理解出来ます



ええ、彼の気持ちが痛い程分かったので引き留めませんでした。彼は何時もチームの方針に従い、文句を言う事もありませんでした。彼の様なチームにとって特別な選手が自ら移籍を希望して来た時、首脳陣は選手の言葉をしっかりと受け止めなければなりません。しかしクラブとしては感情に流されてはいけまえん。フットボールはビジネスですから、チームの選手が移籍を申し入れて来た場合、我々にとって好条件で選手を受け入れてくれるクラブを探さなければなりません。リヨンにはティアゴを獲得する為に必要となる移籍金を払う余裕がありましたし、ティアゴ本人もリヨンへの移籍に前向きでした。彼の移籍を皆悲しみましたが、これがフットボールの現実なのです。彼はリヨンではレギュラーとして活躍していますから、移籍した事は彼にとって正しい選択でした。我がチームの選手は毎週、彼のプレーをチェックしていますよ





―――ウエストブロムウィッチ戦ではスタメンが大幅に変わりました。アーセナル戦でスタメンに名を連ねた選手の内、ゴールキーパーを含めて6人が変更。普段控えに回っている選手に出場機会を与える事が狙いだったのですか?



そうです。その通りです。特にカルロ・クディチーニに出場機会を与えたかったのです。我がチームにはプレミアリーグでトップを争うゴールキーパーが居ると私は考えていますが、ゴールキーパーを交互に起用するのは良い事ではありません。昨シーズンはリーグ優勝が決まってからクディチーニに出場機会を与えましたが、今シーズンは彼に同じ我慢をさせたくありません。ですからあの試合で彼をスタメンで起用したのです。今シーズンはカーリングカップの試合以外でも彼に出場機会を与えます。勿論大事なリーグ戦でも彼を起用していきますよ。ゴールキーパーは特殊なポジションなので、ミッドフィルダーフォワードの様に毎試合ローテーションで使い分ける事は出来ません。私はクディチーニの能力をとても高く評価しています。彼にはもっと出場機会を与えたいので、彼の出番は今後必ず増やします。約束しますよ





―――ウエストブロムウィッチに4対0で勝った事で手応えを感じましたか?



手応えはありましたが我々のホームゲームでしたし、ウエストブロムウィッチアーセナルリヴァプールと比べると、戦力的に確実に劣っている相手です。それにあれは水曜日に行われた試合だったので、選手層が厚い我々の方が有利でした。日曜日の試合から僅か3日しか無かったので、スタメンだった選手は疲れていたはずです。だからといって控えの選手をスタメンで起用するとさらに差が出てしまいます。どちらにしても相手は最初から不利な状況でした。週半ばの試合では選手層が厚いビッグクラブの方が断然有利になります





―――ライトフィリップスはあの試合が初のスタメン出場でした



彼のプレーには満足しています。入団したばかりとは思えない程チームに溶け込んでいますし、楽しみながらプレーしていますからね。彼は毎試合チームの期待に応えるプレーをしていて、初のスタメン出場でも勝利に貢献してくれました。彼はチームにとって貴重な戦力です





―――産まれたばかりの子供の世話で疲れていたフランクランパードを休ませようとは思いませんでしたか?



それはありませんでした。彼は肉体的にも精神的にもとても強いので、必ず活躍してくれると信じていました。奥さんと産まれたばかりの子供と一緒に過ごせる様2日間程休暇を与えましたが、試合ではちゃんと結果を出してくれました





―――彼はリーグ戦の連続試合出場記録に迫っています。その事も考慮したのでは?



その通りです。彼がチームに貢献出来ない状態になったら記録が途絶える事になっても起用しません。チームの勝利が第一ですからね。しかし彼は調子が良く結果も出しているので記録更新を目指す権利がありますし、私としても彼には頑張って貰いたいです。しかし、我がチームが目指しているのは個人の記録ではありません。我々の唯一の目標は優勝です。優勝と個人記録の両方を達成出来れば彼にとって素晴らしい事です