FUTBOL MUNDIAL #657●特集1：コパ・ド・ブラジル

●特集1：コパ・ド・ブラジル
大会史上初めてリオ勢同士の対戦となったコパ・ド・ブラジルをレポート。

フラメンゴ、バスコダガマ、フルミネンセと言えば８０年代のブラジルサッカー界を席巻したリオデジャネイロのクラブ
世界的にも有名でした
９０年代に入ってからはサンパウロのチームの優勢が続きましたが、今年のコパ・ド・ブラジル決勝は大会史上初めてリオ勢同士で争われました

９７年フラメンゴからレアル・マドリードへ移籍したレフトウインガーのサビオ
同じくリーガエスパニョーラのサラゴサを経て、今年５月再びフラメンゴの一員になりました

savio
「今シーズンのコパ・ド・ブラジルで決勝に残ったのが両方共リオのクラブというのは凄く意味がある事だと思うんです。この所ずっとサンパウロのクラブが幅を利かしていますし、今もその状況に変わりはありませんからね。彼らのほうがレベルは高くてフロントもしっかりしています。でもリオを代表する４つのクラブには長い伝統があって、ブラジルサッカーに沢山の栄光を刻んできました。それにサポーターも多いですしね。そういうこともとても重要だと思いますよ」

ファーストレグ、セカンドレグ共、舞台はマラカナンスタジアム
ファーストレグはフラメンゴが途中出場オビーナ（Obina）のゴールで先制
９２年のブラジル全国選手権以来となるタイトルに向けて前進します
コパ・ド・ブラジルでは過去４度決勝へ進んでいるフラメンゴですが優勝は９０年の一度だけ
フラメンゴはルイゾン（Luizao）のゴールでリードを２点に広げ一週間後のセカンドレグに臨みます
フラメンゴの正式名称はクラブ・デ・レガタス・フラメンゴ（Clube de Regatas do Flamengo）
８１年には南米王者に輝き、さらに東京でのインターコンチネンタルカップでヨーロッパ王者のリヴァプールをくだして世界の頂点に立ちました
ジーコやジュニオールが居た時代です
しかしそれからスター選手の海外流出は後を絶たず
次はミッドフィルダー、レナットの番かもしれません

renato
「決勝戦はプレッシャーですよ。強豪相手ですし、コパ・ド・ブラジル史上初めてのダービーですから勝手が違います。ファーストレグの結果だけを見れば有利ですけど、バスコ対フラメンゴのダービーに限ってどちらが優勢だなんて言えませんよ」

フラメンゴの監督は次々と代わります
２００４年から２００５年にかけ１５ヶ月で７人を招きました
今年５月に就任したのが４０歳のネイ・フランコ
準決勝でフラメンゴに敗れたイパチンガ（Ipatinga）の監督でしたが小さなクラブをベスト４に導いた手腕を買われました

ney franco
「フラメンゴでは今年に入って副会長のクレーベル・レイチ（Kleber Leite）氏と現在のフロントのメンバーが中心になって、強いチームを作るノウハウを持っているスタッフを集めたんです。その事がコパ・ド・ブラジルでの決勝進出の原動力になりました。決勝でも勝って優勝したいですね。そうすればブラジル全国選手権にも良い影響が出るはずですし、これからはサポーターにとってもっと応援し甲斐のあるチームになってみせますよ」

シーズンが開幕する時やビッグゲームの前には教会へ向かうのがフラメンゴの伝統
２部降格を免れたいとサン・ジューダス・タデウ（sao　judas tadeu）に祈った事もありました
タデウは失望している人に恵みを施す守護聖人だからです
マルシオ・ブラガ会長は今回も教会へ出かけます

marcio braga
「フラメンゴでは毎年１０月２８日に教会へ行ってサン・ジューダス・タデウに私達をお守りくださいとお願いするんです。今回はセカンドレグに着るユニフォームで行きましたし、ファーストレグで着たユニフォームは教会のチャリティに寄付しました。それ位切っても切れない関係なんですよ」

対するバスコダガマは初めての決勝進出
ファーストレグでのビハインドを取り返せるのか？

バスコダガマサポーター
「ファーストレグでは気力が感じらせませんでしたし、ツキも無かった。でも今回は運にも味方してもらいますよ。奴等のかわりにね」

対するフラメンゴサポーターは余裕しゃくしゃく

フラメンゴサポーター
「今日も良いプレーをしてくれますよ。彼らの後押しでチームを勇気づけたいですね。優勝はフラメンゴのものです」

来年のパンアメリカン大会に向けて改装中のマラカナン
収容人数は通常の８万人から４万５千人へと減っていますがそれでも素晴らしい雰囲気

劣勢を跳ね返したいバスコ、所が後方からのタックルでバウジール・パペウ（Valdir Papel）が２枚目のイエローカードを受けて退場
前半１７分で早くも１０人になってしまいます。フラメンゴサポーターは大喜び
一方現役時代はフレメンゴに在籍したレナト・ガウショ（Renato Gaucho）監督はお冠
２８分フラメンゴの攻撃レオナルド・モーラ（Leonardo Moura）がシュート、ブロックされた所をジュアン（Juan）
このゴールで２試合合計のスコアは３対０
フラメンゴは１４年ぶりのメジャータイトルの獲得へ近づきます
９２年以降もリオデジャネイロ州選手権では５度優勝
それでもコパ・ド・ブラジルでの栄冠は別格です
この熱狂ぶりからも今回の優勝がサポータ−にとってどれ程の意味を持っているかが窺えます
コパ・ド・ブラジルを制した事でコパリベルタドーレスへの出場権も手にしたフラメンゴ
そのかわり来シーズン、コパ・ド・ブラジルへは出られません