FUTBOL MUNDIAL #695●特集1:アゼルバイジャン・サッカー

●特集1:アゼルバイジャン・サッカー
アゼルバイジャン代表チームにまつわる論争。

ここは永遠の炎が宿る場所
7世紀にイスラム教が伝えられるまで火を尊ぶ古代の宗教が信仰されていました


多様な文化や原油の産出国としても有名ですが、紛争による分裂も経験
最近サッカーに関する問題を巡って対立が生まれています


アゼルバイジャンへようこそ
首都バクー(Baku)で活動しているFKカラバフ・アグダム(FK Karabakh Agdam )
トップリーグ、ユクセク・リーガ(Yuksak Liqa)に所属していますが、この荒廃したスタジアムは仮の住処



本来はバクーを本拠地とすべきクラブではありません
カラバフはアゼルバイジャン西部のアルメニア系住民が多い地域
1918年、両国が旧ロシア帝国から独立して以来対立の火種でした
その後ナゴルノ・カラバフ共和国(Nagorno Karabakh Republics)として独立宣言

しかし国際的には承認されていません
独立宣言後の内紛の結果多くの住民がバクーへ
世界的にも珍しい本拠地でプレー出来ないクラブ
サポーターもカラバフからの難民です



監督のラシム・カラはベジクタシュ(Beşiktaş J.K.)の元キーパーです



rasim kara
「私の中ではカラバフは今でもアゼルバイジャンの一地方ですし、クラブとしてその名前を継承していきます。カラバフで起きた内紛によって100万人近い人々が難民となりました。私達はカラバフと呼ばれる名前のクラブですから、そこを追われた人達への想いは強いものがあります。でもカラバフの人達だけのクラブではありませんし、アゼルバイジャン全体を代表しているんですよ」



代表を巡る論争でも先頭に立っているカラバフ
先頃国内リーグでは外国籍の選手は3人までしか先発出来ないというルールが導入されました
しかし唯一の例外がアゼルバイジャン代表
アゼルバイジャン出身で無かったり、帰化したりした選手が9人も居ます
その現状について現場からは不満の声も上がっています



rasim kara
「短いスパンで考えれば代表の救いになりますが、長い目で見るとプラスとは言えないと思います。外国人を帰化させるよりも若手の育成に資金を費やすべきですし、そうすればアゼルバイジャンのサッカーもレベルアップするはずです。代表が強くなれば全体にも良い影響が出ますからね」




ユースの育成で定評があるカラバフ
設備面には恵まれていませんが代表の各カテゴリーに合わせて14人を送り込んでいます
U−21代表のミッドフィルダー、ナミグ・ユシフォフもその一人



namig yusifov
「例えばフランス代表でプレーしていたデサイー(Marcel Desailly)やリザラズ(Bixente Lizarazu)の様にテクニックがある選手なら、チームのレベルアップに貢献出来るので代表に入っても良いと思うんです。でも代表でプレーする為にアゼルバイジャンの国籍を与えられたのに、あまりチームの役立たない選手なら必要無い気がします」




ストライカーのヴァジフ・ジャヴァドフ
もカラバフで頭角を現した若手です
地元出身者としては珍しい18歳でのフル代表入りを果たしました



vagif javadov
「サッカー選手として自分の国を背負って国際舞台で戦うのは究極の目標だと思うんです。それを考えると僕の年齢でこんな機会を与えられるなんて、本当に光栄な事です」




一方で外国籍の選手の帰化に積極的なのが代表監督のシャヒン・ディニエフ
2005年就任当初は若手を起用してのチーム再建を試みました
しかし2006年8月のウクライナ戦で0対6と大敗して考えを一変
ブラジル、セルビアウクライナ、ナイジェリア等から帰化した選手で代表を構成しています



shahin diniyev
「若い世代を育成するにはどうしても時間が必要です。でも時は止まってくれませんからねぇ。代表としてユーロ予選やワールドカップ予選に臨まなければいけません。例えばドイツ代表でも昨年のワールドカップではポーランド系の選手が複数プレーしていました。フランス代表でも同じ様な状況がありますよねぇ。今のサッカー界は世界レベルでそういう方向に動いているんですよ」




セルビア出身のブラニミル・スバシッチも帰化したメンバーの一人
監督の方針によって恩恵を受けています



branimir subasic
「長い間随分悩みましたけど結局は帰化する事にしたんです。今でもでもその選択は間違っていなかったと思っています。勿論アゼルバイジャン帰化する前にセルビア代表に呼ばれていたら、きっとそっちでプレーしたでしょうがねぇ。でも今は僕の気持ちもセルビアから離れて、アゼルバイジャンの事に集中していますよ」



代表戦が行われるのはトフィク・バクラモフ・スタジアム(Tofik Bakhramov Stadium)
66年のワールドカップ決勝、イングランドの微妙な3点目を認めたアシスタントレフェリーの名前に由来しています


数字の上ではUEFAでも弱小の部類に入るアゼルバイジャン
92年に国際舞台にデビューしてからユーロ予選では34戦して僅か3勝です



3勝目を上げたのは今年3月のフィンランド
1対0で競り勝って4年ぶりの金星。史上に残る快挙でした


しかもこの日はメンバー16人の内帰化した選手は5人
それでも多いと言う人も居ますがチームは正しい方向に進んでいます



shahin diniyev
「方向性さえ間違わなければ不可能はないんです。良い選手は居ますし、サポーターの後押しもあります。でも私達に強豪国を倒せと言うのは無理な話です。目標を持つのは悪い事ではありませんが、現実的なものでお願いしたい。今日現実と向き合えなければ明日はもっと辛くなります」




選手の選考基準に関わらずアゼルバイジャンがサッカー大国になるのは至難の業
それでも情熱の炎が消える事はありません








Association of Football Federations of Azerbaijan
http://www.affa.az/
http://en.wikipedia.org/wiki/Association_of_Football_Federations_of_Azerbaijan




Azerbaijan national football team
http://en.wikipedia.org/wiki/Azerbaijan_national_football_team





Yuksak Liqa
http://en.wikipedia.org/wiki/AFFA_Supreme_League





FK Karabakh
http://www.qarabagh.com/site/
http://en.wikipedia.org/wiki/FK_Karabakh

Rasim Kara

Vəzifə Baş Məşqçi
Məşqçi karyerası 1986-99 - "Antalyaspor", baş məşqçi; 1992-94 - Türkiyə Millisi, baş məşqçi köməkçisi; 1994-96 - Türkiyə Millisi, məşqçi,(Avropa Çempionatının iştirakçısı); 1996-97 - "Beşiktaş" JK, Baş Məşqçi,(çempionatda 2-ci yer,UEFA-da üç mərhələ adlama); 1997-98 - "Bursaspor", Baş Məşqçi; 1998-99 - "Çanakkale Dardanel Spor", Baş Məşqçi; 1999-00 - "Çaykur Rize Spor"; 2000-01 - "Kocaeli Spor", Baş Məşqçi; 2001 - "Ottawa Wizards"(Kanada), Baş Məşqçi,(Kanada Çempionu); 2002-03 - "Yimpaş Yozgat Spor", Baş Məşqçi; 2004-06 - "Xəzər Lənkəran", Baş Məşqçi (2 -ci yer); Hal-hazırda "Qarabağ" komandasının Baş Məşçqisi.
Futbolçu karyerası Qapıçı: 1971-72 - "Uşaq Spor"; 1972-76 - "Bursa Spor"; 1976-84- "Beşiktaş" JK (1981-82 - Türkiyə Çempionu
http://www.qarabagh.com/site/?name=viewpers&pid=97&cat=1&lang=1

http://en.wikipedia.org/wiki/Rasim_Kara



Shakhin Diniyev
http://en.wikipedia.org/wiki/Shakhin_Diniyev




Vagif Dzavadov
http://en.wikipedia.org/wiki/Vagif_Dzavadov




Tofik Bakhramov Stadium
http://en.wikipedia.org/wiki/Tofik_Bakhramov_Stadium





ナゴルノ・カラバフ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%95






●特集3:ラシャド・サディコフ
http://d.hatena.ne.jp/condeuma/20070428






Jスポーツ
http://www.jsports.co.jp/program/info/18419.html