FUTBOL MUNDIAL #701●特集3:女子レフェリー セミナー

●特集3:女子レフェリー セミナー
女子W杯に向け、世界中のトップレフェリーが集結。

9月に開幕するFIFA女子ワールドカップ中国2007
選手達は大舞台に立つ為に長く厳しいトレーニングに耐えます
そしてそれはレフェリーやアシスタントレフェリーにとっても同じなのです



tammy ogston
「もし決勝戦をまかされたら、心臓発作でも起こして笛を吹けないかもしれません。でも是非決勝戦を担当したいと思っています。ナンバー1のレフェリーとして認めてもらうのは最高ですからね」



FIFAの女子レフェリーリストには122カ国から507人が登録されています
中には男子の試合を裁くレフェリーも居ますが、女子のリーグやトーナメントで活躍するメンバーが殆どです


1999年から女子ワールドカップでは審判も全員女性になりました
9月の中国大会には最高のメンバーが選ばれます


今年初めFIFAの審判部がまず100人を選抜
その後のセレクションや過去の大会での実績により51人に絞られました
残ったメンバーが5月、スイスのチューリッヒでの5日間のセミナーに参加しました
会場にはFIFAのゼップ・ブラッター会長も視察に訪れました



joseph s. blatter
「ここ数年で女子サッカーのレベルは飛躍的に上がっていますよねぇ。それに伴って女子レフェリーをレベルアップさせる事も大切だったのです。そういう意味で女子のレフェリーやアシスタントレフェリーの為に5日間のセミナーを開催出来たのはFIFAとしても嬉しい事です。参加者の中には男子の大会で笛を吹いているメンバーも居るんですよ。素晴らしいセミナーになったとそう思っています」



今回のセミナーは2006年のドイツワールドカップの前に、男子のレフェリー向けに行われたセミナーがベースになっています
様々なテストが行われました
例えば40mダッシュ。90秒間隔で6本走ります
女子の国際審判の場合、1本6.6秒以内で走りきるのがFIFAの規定
フィジカル面は重要です



tammy ogston
「初参加の時とはFIFAが要求してくるレベルも違います。最高の状態を求められるので合格する為に週に5日はトレーニングです。そうすれば実際の試合でも何キロも走っていても、良いポジショニングが出来ますからね」



インターバル走のテストは150mを35秒以内に走った後、50mを40秒以内で歩きます
これを繰り返しながらトラックを10週


育成の責任者はカナダ出身で自らもレフェリーだったソニア・デノンコート
後輩達の面倒を見るにはピッタリの人材です



sonia denoncourt
「私も11年間FIFAのリストに載ってワールドカップは3度、オリンピックにも2度参加しました。あと数年続けても良かったんですが、自分の知識や経験を後進に伝えたい気持ちもあって、FIFAから素晴らしいオファーが届いたので喜んで引き受けました。後輩達を指導出来る今の役目を楽しんでいます」



オーストラリアやセネガル等様々な国から集まった参加者達
レフェリーになった切っ掛けも人それぞれです
メキシコ出身のヴァージニア・トヴァルは。70年のメキシコワールドカップでレフェリーを務めた、アルトゥーロ・ヤマサキ(Arturo Yamasaki)に影響を受けました



virginia tovar
「元々は監督をしていてコーチングライセンスの取得コースを受けました。実際に今は男子のトップリーグで監督になる資格も持っているんですよ。そのコースでルールを教えていた教官がメキシコのワールドカップの準決勝ドイツ対イタリアを裁いたアルトゥーロ・ヤマサキさんでした。彼の薦めでレフェリーの道に入ったんです。最初は大変だろうからとあまり乗り気じゃなかったんですが、結局はやってみようと決心して今ここにいるんです」



国内では男子のトップリーグでもレフェリーをしているトヴァル
男性中心のメキシコスポーツ界では特筆すべき事です
FIFAとしたは経験を積ませる意味でも、より多くの女子レフェリーに男子の試合を裁く機会を与えたいとしています
女子レフェリーはレベルが低いという偏見を乗り越え成長を続けています


FIFA審判部のホセ・マリア・ガルシア・アランダ部長です



jose maria garcia aranda
「性別に関係無く、ピッチで役目を果たしているかどうかで評価される時代がくるはずです。私達が目指すのは殆どのレフェリーが良い評価を得られる様になる事です。男子の試合でももっと女子レフェリーが増えますよ。フィジカル、技術、メンタルと全ての部分で求められる基準を満たしていますからね」



ピッチ上の会話には英語が使われる為、参加者には語学力も問われます
ルールに関する筆記試験は英語で行われました


ワールドカップでは世界各地からレフェリーが選ばれます
5月のスイスカップ決勝を裁いたニコル・ペティニャトにとってこの仕事の魅力とは?



nicole petignat
「中国やアフリカの仲間達共会える事ですかね。レフェリーになっていなかったらそういうチャンスは無かったと思うんです。後は例えばアメリカもそうですが、世界中を回れるのも素晴らしい事ですし、この仕事の魅力です。レフェリーは単にピッチで笛を吹く係じゃ無くて一人の人間ですからね」



FIFAのバックアップもあって女子レフェリーのレベルは随分と上がりました
勿論さらなる向上も求められています
今回選ばれるのはレフェリー12人とアシスタントレフェリー24人
それに第4の審判3人です



fatou gaye
「レフェリーなら誰でも何時かワールドカップに参加したいと願っています。今回自分が選ばれるかは分りませんけど、チューリッヒでの、このセミナーに参加出来ただけでも嬉しいんです」






FIFA Women's World Cup China 2007
http://www.fifa.com/womenworldcup/index.html
http://en.wikipedia.org/wiki/FIFA_Women%27s_World_Cup




Referees: Final list approved
http://www.fifa.com/womenworldcup/organisation/media/newsid=538316.html#referees+final+list+approved




Sonia Denoncourt
http://www.thesoccerhalloffame.ca/OSN.nsf/c1bfa845a2dec3bf85256b0b005d4116/8f08b3a2f498702585256fc10058059f?OpenDocument



Nicole Petignat
http://de.wikipedia.org/wiki/Nicole_Petignat



jose maria garcia aranda
http://en.wikipedia.org/wiki/Jos%C3%A9_Garcia_Aranda
http://www.j-league.or.jp/document/jnews/64/03.html
http://www.fifa.com/aboutfifa/developing/refereeing/news/newsid=85899.html




Arturo Yamasaki
http://de.wikipedia.org/wiki/Arturo_Yamasaki





週刊サッカー・ナビ! #201●女子サッカー
http://d.hatena.ne.jp/condeuma/20060921



FUTBOL MUNDIAL #598●特集2:女子ヨーロッパ選手権
http://d.hatena.ne.jp/condeuma/20050702








http://www.jsports.co.jp/program/info/19063.html