FUTBOL MUNDIAL #756●特集1:LDUキト
2002年遂に悲願を叶えたエクアドル(Ecuador)
FIFAワールドカップへの初出場を果たしたのです
その4年後のドイツ大会ではさらに前進
決勝トーナメントに進みました
サッカー界のエリート達と肩を並べ、サポーターは大喜び
ただクラブレベルでの成功はまだです
コパリベルタドーレスでは優勝はおろか、期待はずれの成績ばかり
しかし今シーズン、リーガ・デポルティボ・ユニヴェルシタリア・デ・キト(Liga Deportiva Universitaria de Quito)はアルゼンチン出身のエドガルド・バウザ監督の下、南米王者を決定する大会で躍進しています
監督は2006年に就任後、選手たちに強い気持ちを持たせ、勝ち進めるという自信を植え付けました
edgardo bauza
「選手たちに私のサッカー哲学を分かって貰うだけでなく、自分達がこのレベルで戦える力を持っているんだと納得させる事。監督として一番苦労したのはそこですね。今シーズンは開幕前のトレーニングから参加するトーナメントでは全て優勝を狙うという目標を掲げていたんです。その目標をクリア出来るかどうかはまだ分かりませんが、ベストを尽くして戦う事だけはお約束します。うちにはそれだけの伝統があって熱心なサポーターもいるんですからね」
1930年の発足以来、世界で2番目に標高の高い首都キトを本拠にしてきたリーガ
エクアドルでは長い間最も人口が多いグアヤキル(Santiago de Guayaquil)のクラブが国内リーグを席巻していましたが、最近は変わってきています
リーガのどの原点はエクアドル最古の教育機関、エクアドル中央大学(Universidad Central del Ecuador)です
大学との友好関係は長い間変わっておらず、大学側にもクラブ側にもメリットがあると言います
carlos arroyo alvarez
「1930年の事ですからもう大分昔になりますが、エクアドル中央大学の医学部の学生グループが大学を代表するクラブとして発足させたのが最初です。現在我が校はエクアドル国内だけで無く、ラテンアメリカでも屈指の大学に成長しています。その仲間入りが出来たのは我々の機関が名声と隣り合わせでいられたからです。そして大学の発展はクラブの方にも良い影響を与えて、現在の地位を築く事にも貢献しました」
カルロス・アローヨ・アルヴァレスは大学の副学長でリーガの会長
現在大学とクラブは財政的には独立した別の期間ですが、アルヴァレスを始め同窓生の多くがクラブの運営に関わっています
エクアドルの多くのクラブが財政難に陥る中、リーガの経済基盤は磐石
それがピッチでの成功にも繋がっています
carlos arroyo alvarez
「今はリーガはエクアドル最大のクラブですし、ピッチでの結果もそれを物語っています。私の様なクラブ内部の人間だけで無く外部の人達も認めてくれています。クラブが成功を収めているのは経営陣の確かな手腕のおかげです。しっかりとしたビジネスをしてきたからこそ、ラテンアメリカ屈指のビッグクラブというポジションを得られたんだと思います」
準々決勝はアルゼンチン、サンロレンソ(San Lorenzo de Almagro)との対戦
ブエノスアイレス(Buenos Aires)でのファーストレグをスコアレスドローで終え、ホームでのセカンドレグをむかえます
チケットは数時間で完売
クラブ史上初めてのベスト4入りを賭けたビッグゲームです
patricio urrutia
「エストゥディアンテス(Club Estudiantes de La Plata)戦に勝った後、次の相手がボカ(Club Atletico Boca Juniors)でもサンロレンソでも気にせずやろうと誓い合ったんですよ。ここまで来たら勝ち続けたいですし、どこまで行けるかチャレンジしたくてね。実はもう優勝してクラブワールドカップで日本に行く姿まで想像していますよ。勿論地に足を付けて一歩ずつ進まないといけませんし、そうすれば目標を見失う恐れも無いはずです」
キャプテンのパトリシオ・ウルティアをはじめ11人のエクアドル代表を抱えるリーガ
しかしリーガが強いのは、標高2850mのキトで戦っているからであり、これは不公平過ぎるホームアドバンテージだという意見もあります
patricio urrutia
「確かに高地での問題は現実ですし、アウェーチームはそれを実感しているはずですが今に始まった事ではありません。それでも僕らがここまで勝ち進んだのは初めてなので、標高だけが要因ではないと思います。どんなアドバンテージにせよフル活用しないとね」
リーガの躍進には海外のリーグで活躍したアグスティン・デルガドも貢献しています
33歳のデルガドは過去2大会のワールドカップでもエクアドル代表を牽引し、サウサンプトン(Southampton F.C.)やクルス・アスル(Club Deportivo Social y Cultural Cruz Azul)でもプレーしたベテランプレーヤー
最後にもう一花咲かせようと必死です
agustin delgado
「リーガは今エクアドルを代表して戦っています。サポーターもまるで代表チームを応援する様な熱気でリーガを後押ししてくれていますしね。ですから私達選手も国を背負う時と同じ位必死でリーガの為に戦わなければいけません。そうすればさらに勝ち進めるはずです」
エスタディオ・ロドリゴ・パズ・デルガド(Estadio Rodrigo Paz Delgado)には5万5千人が集結
アウェーのサンロレンソには厳しい雰囲気です
サンロレンソは多くの南米勢に倣って、試合当日の午前中になってキトにやってきました
高地の影響が出る前に試合を終わらせようという作戦です
試合はリーガが先制ダミアン・マンソ(Damia'n Manso)のゴールです
しかしサンロレンソも追いついて勝負はPK戦へ
リーガは5人目のクラウディオ・ビエレル(Claudio Bieler)が決めて準決勝進出が決まりました
エクアドル勢のベスト4入りは98年以来です
edgardo bauza
「南米の人達もリーガの力を認めてくれています。それは私達も常に意識している事なので嬉しいですね。この先のゲームでも勝利を目指して全身全霊をかけて戦っていくつもりです。でもここまでこられたんですから、少なくとも南米の最高峰の大会にリーガの名を刻めたとは思います」
既に忘れられないシーズンとなりましたがリーガはまだ先を目指します
Liga Deportiva Universitaria de Quito
http://www.ldu.com.ec/
http://es.wikipedia.org/wiki/Liga_Deportiva_Universitaria_de_Quito
Edgardo Bauza
http://en.wikipedia.org/wiki/Edgardo_Bauza
Patricio Urrutia
http://en.wikipedia.org/wiki/Patricio_Urrutia
Agusti'n Delgado
http://en.wikipedia.org/wiki/Agust%C3%ADn_Delgado
Damia'n Manso
http://en.wikipedia.org/wiki/Damian_Manso
Claudio Bieler
http://en.wikipedia.org/wiki/Claudio_Bieler
Universidad Central del Ecuador
http://es.wikipedia.org/wiki/Universidad_Central_del_Ecuador
San Lorenzo de Almagro
http://es.wikipedia.org/wiki/San_Lorenzo_de_Almagro
Club Estudiantes de La Plata
http://en.wikipedia.org/wiki/Estudiantes_de_La_Plata
Club Atletico Boca Juniors
http://en.wikipedia.org/wiki/Club_Atletico_Boca_Juniors
FUTBOL MUNDIAL #600●特集5:エクアドル代表
http://d.hatena.ne.jp/condeuma/20050721
#756
06月07日(土) 18:30?19:00
06月09日(月) 13:30?14:00
06月10日(火) 深夜1:00?深夜1:30
06月12日(木) 9:30?10:00