FUTBOL MUNDIAL #590●特集1ビルバオとレアル・ソシエダ

特集1アスレティックビルバオレアル・ソシエダ
スペインのエウスカルエリア、別名バスク地方(Pays Basque)
山々や木々に囲まれた美しい場所で雨が多いのも特徴です
ここはギプスコア(Guipuzcoa)、ビスカイア(Vizcaya)、アラバ(Alava)の3県からなるバスク自治州ナバラ自治州(Navarra)、フランス南西部地域で構成されます
アスレティック・ビルバオとレアルソシエダはここに本拠を置きます
バスク勢で最も成功を収めているのがアスレティック
リーグ制覇の回数でもスペイン全体で4番目
何よりも特徴は現代サッカーの流れに逆らい、バスク出身の選手としか契約していない事です
かつてキャプテンも務めたホセ・イリバルです




jose iribar
http://fecha.blog3.fc2.com/blog-entry-217.html
「今ではサッカー自体がすっかり変わってしまいましたからね。以前とは全く違う種類の物になったんです。沢山のクラブが単なるサッカークラブでは無くなって会社組織になりました。その結果ビジネス面をより意識する様になったんです。マーケティングの事や特定の選手のイメージに関心を持つ様になりました。だから選手としての能力が二の次になる事もあります。私たちにはそういうやり方は出来ませんけどね」




両クラブの関係は普段はバスクの旗であるイクリーニャの下良好です
バスク地方は長い間スペインからの分離独立問題の渦中にあります


フランコ将軍の死から1年後の1976年にはイリバルとラ・レアルことレアル・ソシエダのキャプテン、イグナシオ・コルタバリーヤがイクリーニャを掲げて試合に臨んだ事もありました




jose iribar
「あの当時私達が執った行動はこの地域に暮らす人達の思いや強い意志を代弁するものだったと確信しています。大部分の人がバスクの旗であるイクリーニャの正当性が認められるべきだと心から願っていたんです」



バスク人選手でのチーム作りも両クラブの共通認識
お互いのアカデミーから選手を引き抜かない事は暗黙の了解でした
所が95年にその紳士協定が破られます
当時18歳だったホセバ・エチェベリア(Joseba Etxeberria Lizardi)がラ・レアルからアスレティック
ラ・レアルの元監督ハビエル・エクスポジートです



javier exposito
http://fecha.blog3.fc2.com/blog-entry-218.html
「あの一件から両クラブ間でのライバル意識が高まっています。最初はフロントから始まって選手やファンの間にも広まったんです。アスレティックエチェベリアを獲得してから紳士協定が不透明になりました。エチェベリアは今でもアスレティックでプレーしていますけどね。あれが切っ掛けでクラブやファン同士の関係が悪化したのは事実です」




バルサとレアルの著者、フィル・ボールはサンセバスチャン在住のイングランド人です
アスレティックバスク純潔主義に疑問を投げかけます
実際は全員が生粋のバスク人という訳では無く、財力と政治力を駆使して地方内でタレントを掻き集めているのだと指摘しているのです




phil ball
http://fecha.blog3.fc2.com/blog-entry-219.html
「50年代にレアル・マドリードが台頭するまでアスレチックが最強でした。トップリーグから一度も落ちた事はありません。一方のレアル・ソシエダは62年に昇格して以来その座をキープしています。アスレティックは自らの地位を守りたいし、ラ・レアルはそれが気にいらない。だから問題になるんです」




エチェベリアの移籍が両者にわだかまりを残しましたが、これより前の89年にはラ・レアルがスペイン人を除く外国人の獲得を始め、アスレティックから非難の声が上がった事がありました




アスレティックのサポーター
「ライバル意識は相当ですよ。ラ・レアルは外国人を入れてアイデンティティを無くしたんです。以前はお互いバスク人としか契約しない似た様なクラブでした。ラ・レアルが外国人と契約している今、私たちだけが特別な存在です」




一方ラ・レアルはビルバオバスクの解釈を広げすぎで、選手の獲得はビルバオのあるビスカイア県だけにすべきだと反発します



レアル・ソシエダのサポーター
アスレティックはラリオーハ?、ナバーラ、ビスカイアから選手を集めています。そういう意味では私たちの方がバスクらしいクラブなんです。今日の先発メンバーでもラレアルのあるイプスコア?県からが8人。外国人は3人だけです」




スタジアムの外はフレンドリーな雰囲気でも試合は別
ラ・レアルのディフェンダーが早速エチェベリアに狙いを定めます



今シーズンは共に苦戦中
ただしアスレティックスペイン国王杯でベスト4に進出しました
リーグとカップの2冠を達成した83−84シーズン以来のタイトルを目指しています


一方2シーズン前にはチャンピオンズリーグに出場したラ・レアルは10位辺りで終わりそうです
シャビ・アロンソリヴァプールへ移籍し、ニハトを怪我で失ったからです
現在はシャビの兄ミケルに(シャビの弟ミケルを訂正。シャビの方はリヴァプールに移籍したから多分残った方の事を言ってるんだろうな)に期待が集まっています
生え抜き対決と称されるバスクダービー



UEFAは現在一定数の地元出身選手を登録メンバーに含める規定を検討していますが、両チームはとうの昔に実現しています
この試合はは3対0でアスレティックが勝利
ダービーは両クラブに色々なプラスアルファを与えます




phil ball
アスレティックやラ・レアルを見ていると勇気づけられます。特にラ・レアルはギプスコア県の若手を8人も出しました。彼らがダービーを経験するのはとても意味のある事です。例えそれが戦術的な理由でも、ファンはアスレティックの精神かん?をね。地元出身のメンバーを8人も揃えたチームなんてヨーロッパには殆どありませんからね」



時代は流れても地元出身者に拘るアスレティックとラ・レアル
間違いなく賞賛に値する姿勢です





レアル・ソシエダ
http://www.realsociedad.com/





アスレティック・ビルバオ
http://www.athletic-club.es/








http://www.jsports.co.jp/program/info/7634.html