FUTBOL MUNDIAL #593●特集3:ニック・リーソン

●特集3:ニック・リーソン
13億ドルの損失を出して逮捕された「インチキトレーダー」、ニック・リーソンのサッカーにかかわる第2の人生に迫る。


この顔を知っていますか?
1995年には世界のお尋ね者でした
彼を主人公にした映画も作られました
極東地域の通貨市場で有名人
イギリス系銀行のシンガポール支店チーフトレーダーでした


1994年ニックリーソンのキャリアは転落していきます
取引に失敗して13億ドルの損失を出し銀行は倒産
28歳の誕生日の2日前、突然雲隠れしたリーソンはドイツで逮捕されました




nick leeson
「メディアではずっと話題にされますけど、私としては前へ進みたいんです。それが出来るかどうかは疑問ですけどねぇ。多分無理だと思っています。私は死ぬまでずっとイカサマトレーダーなんでしょうね」




4年の刑期を務めた後釈放
イングランドへ戻った後、アイルランド西部のゴールウェイへ
ある日新聞でガルウェイユナイテッドが、コマーシャルマネージャーを募集しているという求人広告を見つけます
フロントのナイアル・オライリーです




nial o'reilly
「本当にビックリしましたよ。あまりに驚いてエイプリルフールだったかどうか真っ先にカレンダーをチェックしちゃったぐらいですよ。ニック以外に8人の応募があって面接は他の志願者と一緒にしましたけど、彼は堪らなく魅力的でしたよ。悪い意味で有名だったからではありません。彼の能力がこの職種にピッタリだったからです」




nick leeson
「新聞の求人広告を見てただ応募して見ようと思ったんです。多分返事は来ないだろうと覚悟していました。私の場合履歴書を送っても意味はありません。この10年はブランクの様な物ですからね。それでカバーレターの方に力を入れました。あの事件の事を書いて回りくどいのは止めましょうと訴えたんです。名前や愚かな行為が先にたってしまいますけど、私にだってセールスポイントはあるんですよ」




233年続いた老舗銀行を破綻に追い込んだリーソン
それでも再起のチャンスを与えられました
クラブの発展の為に商業的な分野での手腕を期待されているのです




nick leeson
「長く続いていく様な物を作りたいんです。あらゆる活動を通してコミュニティーと関わって行く様にしたいし、コミュニティと良い関係のクラブがいいですね。私達が死んだ後も残る様な物にしたいと思っています。クラブの構造を整備してしっかりと基盤を作りたいんです。毎日の仕事としてはスポンサー契約を取り付けて、様々なイベントを主催したりするのが主ですね。財政的な基盤を強化する為です」




夫人とその家族とゴルウェイに住んで2年半になるリーソンは、テーブルスピーチや新聞や雑誌に記事を書いて生計をたてていました
ただサッカー界への転進は意外ではありません
子供の頃からマンチェスターシティの大ファンだったのです


リーソンが来てから知名度がアップしたガルウェイ・ユナイテッド
ピッチでもトップリーグへの昇格を狙っています
一方コマーシャルマネージャー自身の目標は控え目です




nick leeson
「99年に刑務所を出てから、テーブルスピーチやメディアに関わる事をして生計を立てていました。それもあって自分の将来が3〜4年先までしか見えていなかったんです。今回の事でもう少し長い目で先の事を考えられると思います。試用期間を無事にクリアしたら直ぐにクラブと2年契約を結ぶ事になっているんです」




服役し癌も克服したニック・リーソン
苦悩の日々はもう終わりだと思うのも無理はありません
過去が投げかける暗い影を完全に払うのは大変ですが、今は未来を見据えています






ガルウェイ・ユナイテッド
http://www.galwayunitedfc.ie/club_directory.html




リーグ順位表
eircom League Division One 2005 League Table
http://www.galwayunitedfc.ie/eldivone_table.html






http://www.jsports.co.jp/program/info/7637.html