FUTBOL MUNDIAL #601●特集4:ストリート・キッズ・サッカー計画

●特集4:ストリート・キッズ・サッカー計画
インドの首都、デリーに50万人近くいるといわれるストリート・チルドレンを救う活動、ストリート・キッズ・サッカー計画を取材。

強制労働、暴力、性的虐待、病気、これがインドに居る1100万人のストリートチルドレンの現実です

あまりの貧しさから家族に捨てられ、他に行く場所が無いのです


デリーに拠点を置く子供の為の民間機関、サラーム・バラキ・トラスト(Salaam Baalak Trust)はインドの首都に50万人近くいるとされているストリートチルドレンを救う活動をしています
1988年の発足以来、3500人以上の面倒を見てきました
食べ物や住む場所の提供だけでなく、社会復帰のサポートにも取り組んでいます
ストリートでの生活を再現するドラマの授業は心や身体の傷を癒すのに役立ちます




parveen nair
「私達は彼らを育てているんですよ。まずは幼少期から始めます。彼らには育てられた経験がありません。何故ならあまりの貧しさ。家族の機能不全、児童虐待、児童搾取等から逃れようと家庭から逃げ出したからです。彼らにとって生活自体が深い傷になっています。それで都会へやってきたんです。実家よりマシな暮らしが出来る場所なら何処でもいいと期待してね。でも現実は違います。ニューデリー駅に着いた途端、また貧しい暮らしが始まってまた搾取されるんです」




ストリートチルドレンの多くは学校に行った事が無い為、トラストで基本的な読み書きを習います
ここではサッカーをするチャンスもあります



インドユースサッカー協会によって2004年の始めにスタートしたストリートキッズサッカー計画
3つの異なるNGOがスポンサーになっており、ボールやシューズ、ユニフォーム等を提供し、デリー南部に練習場を借りています




gunjan goswami
「彼らの住まいは一つの建物に400人の子供が居て部屋は五つ。あなたならどうですか?遊ぶスペースが無いんですよ。だから基本的には羽を伸ばして自分を表現する場所を与えたいんです」




スポンサーや寄付の増加と共に参加出来るストリートチルドレンの数も増えました
現在では250人以上がプレーをしています
この様な活動によって恵まれない環境に居る子供達にも変化が生まれています




fahad
「親達は僕にも弟にも凄く厳しかったんです。ある日父さん達に殴られてもう沢山だと逃げ出しました。デリーまで来てサラムバラクに助けて貰うまで6ヶ月はストリートにいたんです。ここで僕の人生は変わりました。弟の事が気になって実家に戻って連れてきたんです。今は本当に幸せです。友達も弟も一緒です」




デリーでのストリートキッズサッカー計画の成功により、コルカタやムンバイでも同じ様な計画が始まりました
ストリートにはまだ苦しんでいる子供達が大勢居ますが、トラストもユースサッカー協会もサッカーを通して少しでも状況を改善しようとしているのです




parveen nair
「驚くべき成果が挙がっています。ピッチ上だけには留まりません。子供達にとっては他の子供達と出会うチャンスになっているんです。お蔭でより客観的な視野を持てる様になってきています。今の暮らしの先に未来を抱けるのです。私達運営側にとっても子供達にとっても素晴らしい経験になっていると思います」




SALAAM BAALAK TRUSTの説明
http://www.giveworld.org/sbt/sbt_profile.htm




http://www.indiayouthsoccer.com/





Indian street kids given new goal
http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/3116266.stm






http://www.theglobalgame.com/gleanind.htm






FUTBOL MUNDIAL #593●特集1:インドサッカー
http://d.hatena.ne.jp/condeuma/20050528






FUTBOL MUNDIAL #596●特集4:タタ・フットボール・アカデミー
http://d.hatena.ne.jp/condeuma/20050623





Jスポーツ
http://www.jsports.co.jp/program/info/8406.html